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【生活図鑑】

企業年金の現状と課題 老後の所得保障としての重み増す(No.171)

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 日本版401kといわれる確定拠出年金、公的年金の代行部分がない確定給付企業年金が、始まって5年。一方、適格退職年金の廃止まで5年を切りました。公的年金が問題を抱える中、老後の所得保障として役割は増すばかりです。

 かつて企業年金といえば、国に代わって厚生年金の一部業務を代行している厚生年金基金、一定の要件を満たせば税制上有利な適格退職年金が中心でした。保険料や掛け金を株式市場などや生命保険会社などに委託して運用しています。

 給付額はあらかじめ決まっていますが、バブル崩壊以降、運用成績が悪化。厚生年金基金の代行返上、解散が相次ぎ、適格退職年金は二〇一二年三月で廃止されます。

●「確定拠出」の改善を

 それらの移行先として確定拠出年金(DC)、確定給付企業年金(DB)や中小企業退職金共済があります。厚生労働省の研究会では、転職や退職時の持ち運び(ポータビリティー)を売り物にしている確定拠出年金をめぐり多くの意見が出ました。

 具体的には(1)企業型、個人型DC掛け金の限度額を引き上げるべきだ(2)企業型DCの掛け金を事業主(企業)だけでなく、従業員本人の拠出を認めてほしい(3)サラリーマンの妻などに個人型DC加入を認めてほしい−など(イラスト参照)。

 こうした中で、転職、退職時に企業型から個人型DCへ移す手続き(確定拠出年金法上の移換)を忘れている人が、かなりの数に上ります。自動移換者は、〇七年三月で八万六百三十八人と個人型の加入者より多く、その資産額は二百十一億円。“宙に浮いた”企業年金といえます。理由はさまざまですが、自動移換を防ぐには、加入者の意識改革、企業の十分な教育に加え、使いやすい制度への改善が急務です。

●特別法人税の扱い焦点

 政府は、公務員共済制度見直しの関連で、▽企業型DCの資格喪失年齢引き上げで六十歳以降も継続して掛け金を拠出できる▽資産額が二十五万円以下でも一定の要件を満たせば、個人型DCからの脱退を認める▽確定給付企業年金では、六十−六十五歳で退職した場合、年金を支給できる−などを盛り込んだ改正法案を国会に提出。

 一方、経済団体や企業年金関連の団体は運用成績確保のため、〇八年三月で凍結期限が切れる特別法人税の撤廃を要求しています。企業年金は、退職一時金の年金化で賃金の後払いともいえます。公的年金、一時金の所得控除など年金関連税制全体の見直しが必要です。

 公的年金が縮減される中、企業年金の制度整備が急がれます。

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