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【生活図鑑】

基礎年金は税方式が議論の大勢(No.182)

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 国庫負担の引き上げや、不明な年金記録、空洞化問題などで、基礎年金の財源を全額、税で賄う税方式化をはじめとした年金制度の議論が活発になっています。現在の社会保険方式の年金制度をどのように改革しようとしているのでしょうか?

 現在の公的年金制度は、一階部分として国民共通の「国民年金(基礎年金)」、二階部分として会社員や公務員などを対象に、賃金によって年金額が変わる「報酬比例部分」があります。

 基礎年金部分の給付費は、二〇〇九年度に約一九・四兆円の見込みです。現在、基礎年金の約三分の一にあたる約七兆円は国庫負担(税)です。国庫負担は安定的な財源を確保したのちに、〇九年度までに二分の一にまで引き上げることが決まっています。引き上げには約二・五兆円が必要です。

●2政党2団体が独自案

 独自の改革案を提唱している政党、団体の主張をみてみましょう。

 【民主党案】自営業者、会社員などで分かれている制度を一元化。消費税率を据え置いたままで、基礎年金を全額税方式にする案を示し、参議院選挙で大勝しました。

 一階部分を税方式の基礎年金、二階部分を所得比例年金にします。

 なかでも、基礎年金は最低保障年金として位置づけ、現役時代の収入が六百万円の人から段階的に給付を削減し、千二百万円より多い人には給付がなくなるしくみが特徴的です。高額所得者には基礎年金を支給しない方式を検討しています。

 【社民党案】基礎部分に当たる「基礎的暮らし年金」は全額税金で賄い、所得比例年金は個人と企業で負担する方式。

 【連合案】自営業者向けの所得比例年金を創設し、会社員などと一元化。「全額税方式の基礎年金」+「所得比例年金(財源は保険料)」の制度を提唱しています。企業負担を基礎年金に繰り込むのが特徴です。報酬比例部分は定率の保険料で、率は二〇二五年で14・6%と試算しています。

 【経済同友会案】全額税方式の基礎年金制度のみを公的年金として、現在の厚生年金など二階部分は拠出建ての私的年金として民営化する案を示しています。

 改革案では基礎年金額を現在より約四千円多い月額約七万円とする案がほとんどです。

●増税や新税導入案も

 大きく違うのは、基礎年金を賄う税の中身です。民主党は現在の5%の消費税を全額基礎年金の財源に充てます。

 経済同友会は、年金目的消費税を掲げ、税率は二〇一〇年から五〇年にかけ9−10%で推移するとしています。

 しかし、現在の保険料には企業負担があり、税方式化すれば、企業負担がなくなる構図になります。日本経団連の御手洗冨士夫会長は「福利厚生か賃上げで還元するかは選択肢があるが、普通の経営者なら会社に繰り入れることはないと思う」と発言しています。しかし、還元される保証はありません。

 そこで連合は、企業負担分を新たに社会保障税を導入して徴収。企業負担を税として年金制度に組み込むのが特徴です。残りは国庫負担と年金目的間接税を提言しています。税率は二五年で約3%とみています。

 社民党も企業負担分を社会保障税として徴収。基礎部分にあたる基礎的暮らし年金と所得比例年金の給付額アップに用いるとしています。

 政府・与党内でもこれまで否定的だった基礎年金の税方式化の議論を行うなど、今後、大きく制度が変わる可能性もあります。

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