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【生活図鑑】

ワーキングプアの現状 日雇い派遣労働者に貧困の連鎖(No.184)

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 年収200万円以下の人が1000万人を超えるなど、働く貧困層(ワーキングプア)が増加しています。とくに“ネットカフェ難民”、日雇い(スポット)派遣など、貧困から脱出できない負の連鎖が問題になっています。

 一年間継続して勤務した給与所得者(二〇〇六年、国税庁調査)のうち、年収が二百万円以下の人は千二十二万八千人と前年から4・2%増えました。サラリーマンの実に四・四人に一人の割合になります。二百万円以下は女性が七百五十九万七千人(3・1%増)と大半を占めています。しかし、男性も7・6%増の二百六十三万人と大幅に増えました。

●「劣悪」な労働条件

 一方、通年で勤続せず短期間雇用される人の年収(〇五年)をみると、80%が二百万円以下です。百万円以下でみても62%にもなり、短期雇用の不安定さが浮き彫りになっています。

 とくに若年層に不安定雇用が多く、格差も三十歳未満、三十歳代で拡大しています。

 不安定な雇用から、働く貧困層として問題になっているのが、日雇い派遣などです。携帯やパソコンなどから手軽に仕事が探せるものの、賃金や安全面など労働条件に不備も多いと指摘されています。

 また、不透明な賃金形態で訴訟になるケースもあるほか、雇用保険もようやく認められるなど、労働条件の整備が進んでいません。

 厚生労働省の調査でも、日雇い派遣労働者は、平均月十四日の就業で、月収は十三万三千円、年収換算では百五十九万六千円にしかなりません。

●「派遣」自由化の弊害

 日雇い派遣など低収入で不安定な生活を余儀なくされる労働者は、住居がなくネットカフェなどで寝泊まりする「ネットカフェ難民」になる場合も多くあります。

 厚労省では、全国に約五千四百人と試算していますが、実態はよく分かっていません。ネットカフェ難民とされる人のうち、日雇いのアルバイト・パートや派遣で生計をたてる人が60%を超え、日雇い派遣など就業形態と密接に関連しています。ネットカフェ難民の平均収入は月十万七千円(東京)、年収百二十八万四千円でした。

 日雇い派遣は一九九九年の労働者派遣法改正で、原則、派遣が自由化されてから急増した背景があります。自由化の陰で、賃金など労働条件がおざなりにされてきました。

 不安定な雇用と低収入。貧困の連鎖をどのように解決するのか、大きな課題です。

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