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【生活図鑑】

続く年金問題 制度、財源手つかず 解明できぬ記録も(No.186)

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 ずさんな管理に端を発した不明な年金記録問題をはじめ、一元化やパート労働者の厚生年金加入、基礎年金の国庫負担の引き上げなど制度や財源にかかわる問題は多く残されています。年金を取り巻く課題を整理しました。

 年金記録問題では、基礎年金番号に統合されていない約五千万件の「宙に浮いた年金記録」の解明作業が行われています。

●難航する名寄せ作業

 社会保険庁によると、このなかで約38・8%にあたる千九百七十五万件が、名寄せ作業では持ち主の特定が困難であるとされています。とくに入力ミスなどの九百四十五万件のうち相当数は、紙台帳と照合しても、年金番号の統合が難しいとされています。

 記録に結びつくとされたのは千百万件で、すでに年金を受給している人が三百万件、被保険者(現役世代の加入者)は八百万件でした。三百万件は受給者数では約二百五十万人分とされ、本来の年金額よりも少ない年金を、現在受け取っている可能性があります。

 調査の結果、記録が判明した人から「ねんきん特別便」として送付します。

 しかし、五千万件以外にも発覚した不明な年金記録として、厚生年金旧台帳の約千四百三十万件、船員保険旧台帳約三十六万件についての解明はこれからです。

 また、従業員本人の給与から厚生年金の保険料が天引きされていたのに、勤務先の企業が国に納めていなかったなど「消えた」厚生年金については、救済法で従業員に年金を補償します。

●国庫負担など課題山積

 記録問題以外にも、年金制度についての課題は残されたままです。年金制度の一元化に向け、政府は会社員の厚生年金と公務員の共済年金を統合する計画で、法律案を提出していますが、審議は進んでいません。同様に、パート労働者の厚生年金適用拡大案も審議されないまま。

 いずれも、民主党などでは一元化の方法、パートの厚生年金加入のさらなる拡大など政府と異なる案もあり、今後、どのようになるのか、予断を許しません。

 基礎年金国庫負担割合を三分の一から二分の一に引き上げることも、大きな課題です。引き上げのためには、安定的な財源が必要とされ、政府の税制調査会などは消費税率引き上げの必要性を指摘しています。

 さらに、年金だけでなく医療、介護を含めた社会保障税の創設なども提唱されています。一方、民主党は年金制度を大きく改革し、消費税率を引き上げなくても歳出削減で基礎年金相当の財源は確保できるとしています。

 記録問題を含め年金に関する政策を注視する必要がありそうです。

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