東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 生活図鑑 > 生活図鑑シリーズ・バックナンバー > 2007年の記事一覧 > 記事

ここから本文

【生活図鑑】

物価上昇の連鎖 原油高騰の猛威 苦しい家計直撃(No.187)

写真

原油、穀物などの国際価格高騰が家計に暗い影を落としています。ガソリン、灯油や食品類など値上がりは多岐にわたり、国内外も物流費も上昇。物価上昇の連鎖が、ただでさえ厳しい家計を直撃しているのです。

 国際原油価格は、二〇〇五年以降ジワジワ上がり始め、米国産標準油種(WTI)は〇七年十一月二十三日に一バレル当たり九八・一八ドルと過去最高を記録しました。投機資金の流入などが原因です。日本の輸入原油の約90%を占める中東産も軒並み上昇。〇五年一月に比べ二倍近く高騰しました。

●冬場にかけ次々値上げ

 価格高騰は、ガソリン、灯油の値段、電力・ガス料金に跳ね返ります。ガソリンと灯油は、〇七年秋以降急速に値上がりしています。冬場の灯油値上がりは家計にとって痛手です。ガソリンや軽油の値上がりは、物流業者の経営を圧迫。価格転嫁という形で消費者にしわ寄せがきます。

 一方、小麦の国際相場は〇七年十二月に一時一ブッシェル当たり一〇ドルを超え、十一年ぶりに史上最高値を更新しました。一年で二倍、二年で三倍近い高騰です。需要増加、トウモロコシなどバイオ燃料生産用穀物への転作に加え、原油価格の高騰と軌を一にして海上輸送費用が急上昇しています。これが、食料品値上げの背景です。

 日本は、原油、小麦の輸入依存度が高く、価格高騰の影響をまともに受けます。物価上昇の連鎖が始まっています。

●庶民の生活置き去り

 ところが、総務省の消費者物価指数は、エネルギー、一部食品の上昇にもかかわらず総合(生鮮食品除く)で一〇〇近傍。物価は上がっていない、となるのです。薄型テレビなど耐久消費財の値下がりが原因です。生活実感とは大きなギャップがあります。

 庶民は物価に敏感です。賃金が伸び悩む中での物価上昇は、庶民を「買い控え」という生活防衛策に走らせます。景気にはマイナスです。

 政府は、原油高対策を打ち出しましたが、びほう策との批判が強く、税制も問題です。揮発油税(ガソリン税の大半)は、本来一リットル当たり24・3円ですが、暫定税率はその二倍。政府・与党は、今後十年間暫定税率を継続することを決めました。

 ガソリン税等を本来の税率に戻せば、物流業者や家計は助かります。しかし、政府・与党は政治的打算から、庶民の生活より、これらの税金を財源とする道路建設優先の政策を選択したのです。

   ■   ■   

 三十日はお休みします。次回は一月六日です。

ご注文はこちらから
 

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報