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【生活図鑑】

日本の貯蓄 家計は細り、厚みを増す企業のサイフ(No.188)

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 日本の家計貯蓄は、2000年を境に急速に減り始めました。深刻な不況による所得の減少や少子高齢化が影を落としている、とされています。政府は、1998年以降財政赤字の状態。その中で企業の貯蓄は、着実に増えています。

 二〇〇五年度までの国民経済計算で純貯蓄の推移をみると、二〇〇〇年度前後を境に(1)デフレ対策で財政負担が大幅にかさんだ一般政府の赤字体質(2)所得の減少などで低迷する家計(3)業績回復を背景に高水準を維持する企業や金融機関−という傾向が定着しています。とくに家計貯蓄の減少が目立ちます。

●家計貯蓄率3・2%

 内閣府が、〇七年十二月二十六日公表した〇六年度国民経済計算では、日本の純貯蓄が、約三十一兆一千億円。このうち金融機関を含む企業は約三十五兆七百億円と高水準。一方、一般政府は十三兆六千七百億円の赤字で、家計(個人企業含む)は、九兆四千七百億円と低迷しています。

 企業には、設備投資などで多くの資金が必要です。では、労働者への配分はどうでしょう。

 ユニット・レーバー・コストの前年同期比は、一九九八年下期以降連続してマイナスの状態。賃金は抑制されているのです。低所得にあえぐ「働く貧困層」は、貯蓄どころではありません。〇六年度の労働分配率は70・5%と低下傾向。家計の貯蓄率は3・2%で、九六年度以降最低でした。

 急速な少子高齢化で、働く年齢層の人口が減少、所得も抑制されています。公的年金では生活できない高齢者が、貯蓄を取り崩す。これが深刻な家計貯蓄の実態です。

●賃金の底上げが課題

 日本は、膨大な赤字を抱える財政の再建と、富の適正な再分配という重い命題を抱えています。

 抜本的な税制改革は先送りしましたが、物価上昇に対応し富の適正な再分配を図るには、〇八年の春闘でどれだけ賃金全体を底上げできるか、にかかっています。

 日本経団連は、春闘で賃金引き上げを容認する姿勢を打ち出しました。しかし、情勢は甘くありません。日本銀行は、景気の現状が減速しているとの認識で、先行きにも懸念を示しています。企業の景況感も悪化しています。原油、原材料価格の高騰などが原因です。

 不況下のインフレで一番苦しむのは庶民です。春闘では、家計への配慮が求められています。

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