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【生活図鑑】

救急車の利用実態(No.193)  不適切な利用救急率に影響

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 最近、救急患者の「たらい回し」が問題になっていますが、その一方では、救急車の不適切な利用が目立ちます。救急車の需要と供給の大きなギャップが生じる原因でもあり、タクシー代わりにするなど不適切な救急車の利用は救命率の低下を招きかねません。救急車利用の実態を調べてみました。

 一一九番通報で出動する救急車は、緊急の傷病者を病院等へ迅速かつ安全に搬送するための車両です。

●出動件数10年で55%増

 総務省消防庁の調べによると、二〇〇六年中の救急車出動件数は五百二十三万一千百六十三件で前年に比べ、一九六三年の救急業務法制化以降、初めて減少しましたが、過去十年間で見ると約55%も増加しています。一方、全国の消防本部では厳しい財政事情等で、救急需要の増加に救急隊の増強が追い付かない状態です。〇七年四月の救急隊数は四千九百四十隊で、過去十年間で約10%増にとどまっています。

 需給のギャップ、道路事情などで、現場到着所要時間は遅延傾向にあります。一刻を争う傷病者の救命率に影響が出かねません。さらに、救える命を確実に救うためにも救急車を適切に利用することが、とても大切です。

 〇六年中の救急搬送人員を傷病程度別割合で見ると、約52%が搬送先の医師の診察の結果、入院の必要がない「軽症」でした。この軽症の中に不適切な利用者が相当含まれるといわれています。

●「タクシー代わり」まで

 東京消防庁の調査によると、救急車を呼んだ理由として「自力で歩ける状態でなかった」「生命の危険があると思った」が上位を占めています。その一方「夜間・休日で診察時間外だった」「救急車で病院に行った方が優先的に診てくれると思った」というものや、「交通手段がなかった」とタクシー代わりのような回答もありました。

 また、一部には非常識な利用者もいます。年に数十回も利用する「常連」や「今日、入院する予定だ」などといって救急車を呼ぶ人も珍しくないそうです。うそをついて不正に救急車を利用することは違法です。

 症状は軽いが、交通手段がない場合は、民間の患者等搬送事業者などを利用し、どこの病院に行けばいいか分からないときには、自治体などの病院情報提供サービスを活用する方法があります。

 真に緊急を要する人のために、救急車の適切な利用を心掛けることが大切です。

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