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【生活図鑑】

子どもの教育費(No.195) 親の収入や地域で開く格差

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 文部科学省の調査によると、親など保護者の年収に比例し学習塾などへの支出が増えており、地域別にみても大都市ほど塾などへの支出が多い傾向にあります。その差は公立学校で2倍から4倍もの開きがあります。その一方、奨学金や教育ローンの貸し出しが増えています。

 児童生徒の親など保護者の年間収入が多ければ、子どもの教育費も比例して増加する傾向があります。公立と私立では大きな差がありますが、公立小中学校を中心に実態を調べてみました。

 文部科学省の二〇〇六年度子どもの学習費調査によると、公立小学校で年収千二百万円以上の世帯が支出する学習費総額は五十九万円で、四百万円未満の世帯の約二・四倍。公立中学校では、最大約一・八倍の開きがあります。

●塾代等最大4倍の差

 年収別に学習塾など補助学習費の支出を比べると、小学校では最大四・〇五倍、中学校では最大二・三四倍という格差が生じています。

 地域別にみても、人口の少ない市町村と大都市(政令指定都市・東京二十三区)では、大きな格差があります。

 公立小学校の場合、(1)大都市の学習費総額は四十二万八千四百七十二円、このうち補助学習費は十六万六千五百七十六円(2)五万人未満の市町村では、学習費総額が二十七万七千五百九十八円、補助学習費は六万二千六百三円−です。格差は総額で一・五四倍、補助学習費で二・六六倍。中学でも同様の傾向です。

 〇七年賃金構造基本統計調査では、政令指定都市を中心にした大都市圏とそれ以外の地域では、「きまって支給する現金給与」と「年間賞与など特別給与」の合計に大きな開きがあります。

 文科省の〇七年度全国学力・学習状況調査では、就学支援を受けている児童生徒の割合が高い学校の方が、割合の低い学校よりも平均正答率が低い傾向がみられる、という結果が出ています。

●親のスネは細る一方

 子どもの教育の機会など環境整備、学力向上は、親や地域社会共通の願いです。

 ところが、親のスネは細るばかり。高校、大学などに通学させるため、親が国民生活金融公庫から借りた教育ローン残高は、〇一年度以降一兆円以上に増えています。

 同公庫総合研究所の調査では、子ども一人当たりの仕送り額は、年平均百四万円。借金のほか預金を取り崩したり、旅行・レジャー費、衣類代などを節約し教育費を捻出(ねんしゅつ)。奨学金を借りる子どもが増えています。

 貧富の差は昔からありますが、行き過ぎた格差は将来に禍根を残します。

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