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【生活図鑑】

入学金・授業料等の返還 返還ルール 事前に確認を(No.197)

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 受験シーズンもいよいよ大詰めを迎えましたが、合否確定後に毎年問題となるのが、入学辞退者が前もって納付した入学金等の取り扱いです。かつては全額返還されないことが当然だった入学金等の返還ルールの現状を調べてみました。

 大学受験で、本命を中心に複数の大学を受けることは珍しくありません。入学先の最終決定が、本命校の合否発表後というのは当然です。

 合格した第二志望以下の大学の入学金等の納付期限がこれより前の場合、とりあえず納める、というのが一般的です。だが、本命校合格の場合でも、第二志望校等に納めた入学金や授業料等が一切返還されないのは仕方がないのでしょうか。

●消費者契約法が契機

 何十年も前から慣習化されてきたこのやり方に疑問が投げかけられるきっかけになったのは、二〇〇一年四月施行の消費者契約法でした。

 消費者契約法は、消費者と事業者との間にある情報や交渉力等の格差を考慮し、消費者が行う契約について一定の保護を図るという目的で制定された法律です。

 この法律をもとに、〇二年六月から大阪や東京、名古屋などで返還訴訟が起こりました。〇六年十一月二十七日、十二月二十二日の最高裁判所判決によって、「入学金・授業料等の返還ルール」が事実上決定しました。このルールは、国公私立の大学や短大以外に専門学校・各種学校などにも適用されます。

 まず入学金については、不相当に高額である場合などを除き、これまで通り一切返還されません。学生は入学金の納付をもって大学に入学し得る地位を取得するものであり、その後に在学契約等が解除されたり失効したりしても大学はその返還義務を負わないというのが、最高裁の判断です。

●原則は3月31日が期限

 授業料・施設設備費等は、三月三十一日までに入学を辞退した場合には、原則として返還されます。ただし、専願や推薦入学試験等の場合は、特段の事情がない限り、返還されません。

 また、入学手続き要項等に「入学式を無断欠席した場合には入学を辞退したものとみなす」などと記載している場合には、三月三十一日以降でも入学式の日までに入学辞退すれば返還されます。入学辞退の意思表示は、最高裁判決では口頭によるものでも有効としています。浪人生対象の予備校もこの返還ルールの対象となります。

 今では、私立大学等での返還トラブルは減りつつありますが、事前に返還ルールの詳細内容を把握することが大切です。専門学校・各種学校には、返還ルールが不明確な学校もあります。

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