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【生活図鑑】

ねんきん特別便 難航する記録訂正 根本的解決ほど遠く(No.201)

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 宙に浮いた5000万件の年金記録の解明と記録訂正作業のため「ねんきん特別便」が送られています。しかし、3月までに年金記録訂正の可能性が高い年金受給者などへ送られた特別便でも、訂正が進んでいません。5000万件のうち、解明できなかった件数も2025万件に及んでいます。政府の対応への批判が高まっています。

 最後の一人までチェックして正しい年金を支払う−。政府与党が公約した年金記録の解明と訂正。しかし、作業は難航しています。

●未解明は2千万件超

 社会保険庁によると、三月十四日時点で宙に浮いた五千万件のうち、未解明の記録は、年金相談などで二〇〇七年十二月の千九百七十五万件から千七百十五万件に一度は減りました。

 しかし、未解明扱いではなかった「名前がなかったなどで訂正作業中の記録」四百七十万件のうち、原簿から名前を割り出し照合したものの持ち主を特定できなかった記録が三百十万件あることが新たに判明。これを加えた未解明記録は二千二十五万件に増えました。

 特定できない記録については、住民基本台帳ネットワークを活用して生存者の特定や旧姓履歴データの収集を進めるほか、四月からはコンピューター記録と紙台帳を突き合わせる作業にも着手。しかし、根本的解決にはほど遠く、今後、相当数の未解明記録が残る見込みです。

 一方、調査(名寄せ)により、本人をほぼ特定できた千百七十二万件については、「ねんきん特別便」として送付(三月末までに千三十万人対象)しています。しかし、特別便の記録にミスがあったうえ、予想以上に記録の訂正に結びついていません。

●記憶頼りの特別便

 すでに送付した特別便三百五十六万件に回答があった百十六万件のうち、記録訂正が必要と回答したのは約三十三万人、送付総数の9・3%でしかありませんでした。半面、訂正なしとした人は約八十三万人、23・2%もいました。

 特別便が当初から分かりにくかったうえに、何十年前のことを正確に思い出すこと自体が難しいなどが理由です。このため、特別便送付の途中から、様式を変更。特別便を受け取ったら記録訂正の可能性があるので、社会保険事務所などで相談するよう呼びかけています。

 また、「訂正なし」の回答者のうち、記録の持ち主が一人に絞り込めた人に電話や戸別訪問も実施しています。しかし、本人の記憶頼りで、どこまで訂正に結びつくか、予断を許しません。

●第三者委審査も進まず

 年金記録そのものがないなど消えた年金の記録審査を行う第三者委員会の作業も難航しています。三月三十日までに社会保険事務所で受け付けた申立件数は四万九千三百二件です。第三者委員会で訂正の必要があるとされたのは千四百八十四件(二月二十五日時点)にすぎません。

 自分の年金が消えているのではないか、といった年金相談が多数寄せられています。これらは、宙に浮いた五千万件とは別のもので、現段階では調査自体どのようになるのか不明確です。一方では、家計簿などがある場合、社会保険事務所で訂正できる方法も検討されています。

 四月から、加入者全員を対象にした特別便も送付されますが、さらに混乱する恐れもあります。

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