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【生活図鑑】

改正パートタイム労働法 賃金等の差別禁止も対象は限定的 (No.211)

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 改正パート労働法が4月から施行されました。採用時に労働条件を明示した書面を交付し、待遇について説明することを企業に義務づけました。一方、賃金、教育訓練、福利厚生では、同一の方法で決定するなど一般(正)社員と均衡のとれた扱いを求めています。しかし、差別禁止対象のパート労働者は限定されているなど、問題点もあります。

 改正パート労働法は、パートタイマー、アルバイト、契約社員、嘱託社員など名称にかかわらず、一週間の所定労働時間が、同一事業所に雇用されている通常の労働者(正社員など)に比べて短いすべての労働者を対象にしています。

 事業主には、採用時に労働条件を明示した文書を交付する義務があります。

 具体的には、採用後にトラブルになりやすい「昇給の有無」「退職手当の有無」「賞与の有無」の三項目。違反すれば十万円以下の罰金が科せられます。三項目以外も極力明示するよう求められています。

 正社員と待遇に差があることに疑問を持った労働者が説明を求めれば、事業主は事情を説明する義務があります。

●同一待遇は4−5%

 今回の改正の柱は、待遇を働きに応じたものに見直すことで、正社員とパートとの給与格差をなくすことです。

 一定条件の労働者は、正社員と差別してはならないとされました。その条件とは(1)正社員と職務内容が同じ(2)全雇用期間を通じ人材活用の仕組み、配転、残業などが正社員と同じ(3)期間の定めのない労働契約を締結している−というものです。

 こうした労働者に対し、賃金面では基本給の一時間当たりの金額が、正社員と同額になるよう賃金を設定するほか、諸手当、賞与なども同じ取り扱いにしなければなりません。

 しかし、この条件に当てはまるのは、政府見通しでもパート労働者約千三百四十六万人のうち4−5%にすぎません。

 結局、契約期間が有期であるなど、ほとんどのパート労働者の待遇は、正社員と同一の方法で賃金を決定するなどの努力義務を、事業主に課したにすぎません。教育、福利厚生も配慮義務になりました。

●正社員転換を制度化

 パートから正社員への転換を進めるため、改正法では義務化されたものがあります。新たに正社員などの募集をする場合は▽募集を周知する▽正社員への転換制度を設ける▽転換を促進する措置−のいずれかを実施しなければなりません。

 また、苦情の申し出などがあった場合は、自主的に解決を図るように求められています。

 公的にも都道府県労働局長が、労働者または事業主から紛争解決の援助を求められた場合、助言、指導、勧告を行います。調停の申し出があった場合、均衡待遇調停会議で調停にあたります。

 法改正にあわせ、流通業大手を中心にパートの正社員化を進める企業と、あえて正社員との職務内容を差別化し、パートの待遇を据え置く企業に分かれています。

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