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【生活図鑑】

国際航空運賃 燃油サーチャージが大幅上昇 原油高騰の波紋(No.212)

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 原油価格の高騰は、さまざまな分野で値上げをもたらしています。航空運賃もそのひとつ。2005年2月から国際線の旅客部門に導入した燃油サーチャージは、一時期を除き上昇の一途。最近は大幅にアップしています。利用者の不満も強く、夏休みを利用した海外旅行にも影響しそうです。

 国際線の燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)は、本体運賃や企業努力でカバーしきれない燃料価格上昇分を、利用者が負担する仕組みです。

●「高すぎる」と批判も

 指標となるのは、シンガポール市場のジェット燃料(ケロシン)価格。二〇〇一−〇二年の市況は一バレル=三〇ドル以下でしたが、〇五年二月は平均五四・六ドルに上昇。〇七年十一月以降一〇〇ドルの大台を突破、〇八年五月二十七日には一七四・三ドルに高騰しました。〇五年二月の三倍の水準です。

 航空会社は、これほどの燃料費高騰をカバーできず、国内線の普通運賃、国際線のIATA運賃値上げに加え燃油サーチャージも引き上げました。

 年間二百万人以上が利用するハワイ路線をみると、日本航空、全日空ともに燃油サーチャージを段階的に値上げし、〇八年七−九月は、ついに二万円(片道一人当たり)になりました。他の路線でも大幅にアップしており、利用者の負担は増すばかりです。

 日本旅行業協会によると、燃油サーチャージに対する海外ツアー利用者の声は(1)金額が高すぎる(2)算定、変動根拠が不明瞭(めいりょう)で納得できない(3)旅行代金契約後に徴収され、総額がパンフレットに明示されないので不透明(4)便乗値上げだ−などの不満がかなり多いようです。航空会社の中にも「本体運賃とのバランスが悪い」として、対策を検討する向きもあります。

●「総額表示」で十分か

 利用者の不満の矢面に立たされる旅行業界は、▽燃油サーチャージと本体運賃の一本化あるいは運賃の総額表示▽サーチャージの圧縮あるいは限度額の設定▽三カ月単位の見直し・改定期間を、旅行商品と同じ六カ月サイクルにしてほしい−などを国土交通省、航空会社に要望していました。

 そこで国交省は通達を改定、海外旅行代金の表示を燃油サーチャージを含めた「総額表示」にする方針です。移行は〇八年十月の予定です。

 しかし、サーチャージが圧縮されるかどうかは別問題です。

 この制度は、航空以外に海運、トラック運送業界でも導入しています。また、類似した制度として、電力、ガス業界の燃料費調整制度があります。上限価格を設定し、燃料価格の高騰がストレートに料金に跳ね返らないようにしています。

 原油価格高騰に沈静化の兆しは見えません。航空会社に対し、一層のコスト低減、燃油サーチャージの上限設定を求める声が強まりそうです。

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