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【生活図鑑】

後期高齢者医療の保険料試算 実態は高所得世帯ほど負担軽く(No.214)

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 国民健康保険から後期高齢者医療制度に移った場合、対象世帯全体の69%で保険料が減少しました。しかし、厚生労働省の調査・試算によると、高所得世帯ほど保険料負担が軽くなる傾向にあります。従来の政府説明とは、正反対の結果が出ており、波紋を呼んでいます。また、東京、沖縄では保険料が下がる世帯が40%程度にすぎず、地域格差も明らかになりました。

 国民健康保険と、後期高齢者医療制度の保険料を比べる場合、国保保険料(税)の計算方式が重要になります。

 国保の保険料計算には(1)所得割、資産割、被保険者均等割、世帯別平等割で計算し、主に町村が採用している四方式(2)所得割、被保険者均等割、世帯別平等割で計算する三方式(3)所得割と被保険者均等割で計算し、主に大都市が用いている二方式−の三つの方法があります。全国の市町村の約八割が四方式を採用しています。

●「想定外」の調査結果

 当初、政府は大多数の自治体が採用している四方式で、国民健康保険から後期高齢者医療制度へ移った場合の保険料推移を試算し、「大多数で保険料が下がり、高所得者ほど負担が重く、低所得者ほど負担が軽い」と説明してきました。

 確かに、四方式だけ見ると73%の世帯で保険料が下がります。所得別で保険料の下がる世帯割合では、低所得世帯で73%と高所得世帯の68%を上回ります。

 しかし、四方式は全国の市町村の約八割が採用するものの、世帯数で見た場合、約44%にすぎません。四方式を採用する町や村は人口が少ないためです。

 三方式を採用している世帯の割合は43%、二方式を採用している世帯は13%で合計56%と過半数を占めています。このうち、三方式で保険料が下がった世帯は高所得世帯で84%でしたが、低所得世帯では60%でした。さらに二方式では高所得世帯の85%に対し、低所得世帯では22%にすぎません。

 全体では69%で保険料が下がったというものの、高所得世帯ほど下がった割合が高く、低所得世帯ほど下がった割合が低いという、政府の想定外の結果になりました。

●独自の軽減策見直しで

 地域格差も大きくなっています。東京二十三区などでは、保険料が下がった世帯が44%、沖縄では36%と50%未満でした。

 厚生労働省は、都市部を中心に、国保保険料で低所得者向けの独自軽減措置があったものの、後期高齢者医療制度へ移行し、軽減措置が見直されたなどの影響で、負担が大きくなった面もある、としています。

 同様に、一般会計から補てんしていた自治体が多い都道府県ほど、保険料が下がっていない傾向にあります。

 全日本民医連の調査(対象六千九人)でも、保険料が「安くなった」と答えた人は6・6%にすぎず、「高くなった」と答えた人は41・6%にのぼっています。従来の政府説明と正反対の結果が出ています。

 厚労省は、今回は粗い試算と調査としていますが、今後、より正確な調査が望まれています。

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