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【生活図鑑】

リコール 急がれる共通指針の策定 (No.221)

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 欠陥商品を企業の責任で回収・修理するリコール。自動車や家電製品など法律に基づいているものは把握されていますが、自主的リコールの現状は把握できておらず、統一基準もありません。そこで政府は、一般の製品、食品に建物施設を加え、共通の指針を策定する方針です。

 リコールについて一般の消費者は、どのように見ているのでしょうか。

 内閣府の調査によると、家庭にある製品が回収措置の対象になった、とする消費者は14・5%で、対象製品としては、自動車・関連製品、家電製品や生活用品が上位を占めています。

●もっと消費者意識を

 ところが、リコールの対象製品を持っていながら回収措置を受けなかった消費者は、16・6%もいました。対象製品別にみると、家電が25・0%、自動車・関連商品が21・9%、アクセサリー、衣料など生活用品が18・8%などでした。

 その理由として、「回収に伴う作業が面倒」「安全上の問題は小さいと思った」「リコール情報を知った時には、すでに処分していた」という回答が多いようです。

 医薬品・化粧品や食品飲料で「回収措置を受けなかった」という人は少ないのですが、欠陥製品を持ち続けることは危険なことです。

 リコール情報の入手ルートをみると、メーカー、購入店から送られてきたダイレクトメールや電話による連絡が、半数近くを占めています。次に多いのが新聞の社告、新聞記事で、メーカーのホームページで知ったケースは、少数派です。

 自宅で新聞を読む習慣が根付いている日本では、新聞を通じた情報提供が有力な手段になっています。ただ、「社告のスペースが小さい」「問題の重大性が分からない」などの不満もあります。

 一方、企業側の対応はどうでしょう。

●一層の情報公開必要

 日本経団連は、企業行動憲章で(1)製品・サービスの安全性、品質確保(2)消費者等への適切な情報提供と問い合わせへの誠実な対応(3)個人・顧客情報の保護−などを企業の重要な社会的責任のひとつに位置付けています。リコール実施の判断要素として、法令違反、社会的責任を挙げる企業が多くありました。リコール隠しをした企業、経営者が厳しい批判にさらされたことへの反省もあるようです。

 しかし、リコール実施の消費者への告知では、消費者と企業の間で認識の違いがあるようです。回収率の公表やリコール終了の社外告知について、消極的な企業が多い点が気になります。

 こうした現状を踏まえ、政府は、企業の自主的リコールを中心に、二〇〇八年度中に分野横断的な指針を策定する方針です。一般の製品、食品に建物施設を対象にした共通の指針です。今後の検討過程では、▽新聞社告などを通じた分かりやすい情報提供▽回収率や終了判断基準の設定▽途中経過や終了後の結果公表の在り方−などが主な課題になりそうです。

 消費者重視の行政を看板に掲げる福田政権。実効性のある共通指針の策定が急がれます。

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