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【生活図鑑】

人口の偏在と年金依存(No.223) 進む高齢化社会 国民所得比1割超

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 総務省によると日本の人口は、2008年3月末時点で1億2706万6178人と3年ぶりに増加に転じました。しかし、年少、生産年齢人口は減り続け、老年人口だけが増える、という傾向は変わりません。国民所得に占める公的年金の比率はすでに1割を超えており、地方の年金依存度も高くなっています。国内経済が力強さを取り戻せない背景には、こうした構造的要因もあるようです。

 日本の人口は、全体で三年ぶりに増加しました。海外からの帰国者など「社会増加数」はプラスでしたが、出生者数から死亡者数を引いた「自然増加数」は過去最大幅のマイナスでした。

 人口が増えた地域は、十二都府県。人口が一番多いのは東京都で千二百四十六万二千百九十六人、増加率もトップで0・81%増でした。増加率が高いのは、神奈川、愛知、千葉県など。これらの地域は、自然増よりも他地域からの転入が多くなっています。

 一方、三十五の道府県で人口が減っており、一番減ったのは北海道で二万八千九百三十五人の減少。東京など三大都市圏に人が集まり、地方が減り続けるという傾向は変わっていません。

●「働き盛り」大都市へ

 人口構成を年齢別にみると、年少人口(ゼロ−十四歳)は13・62%、働き盛りの人が大半の生産年齢人口(十五−六十四歳)は64・81%で、ともに総務省が調査を始めた一九九四年以降、毎年減少しています。多くの人が年金生活に入る老年人口(六十五歳以上)は21・57%で調査開始後一貫して増えています。

 そうした中、七十五歳以上の高齢者の人口は、約千二百七十六万人で全体の約一割を占め、年少人口に迫っています。

 生産年齢の人口比率で全国平均より高いのは、東京都、神奈川県など人口が増えている地域です。平均より低いのは、島根、秋田県など人口が減っている地域です。

 これに対し、老年人口比率が全国平均より低いのは神奈川、愛知、千葉県などで、平均より高い地域は島根、秋田、山形県などです。

 生産年齢人口の減少と大都市圏への流入傾向に歯止めはかかっていません。ただ、東京都など大都市は、人口増加とともに老年人口が増える傾向にあります。

●高まる地方の年金依存

 人口および人口構成の偏在は、国内経済にも影響しているようです。

 国民所得比(国民所得に占める公的年金の比率)は、二〇〇三年度から10%を超え、年金の実受給権者は、〇六年度で三千三百六十六万人に達しました。また、県民所得比(県民所得に占める年金の比率)が国民所得比よりも高い自治体は、老年人口比率が高く、生産年齢人口比率が低い地域と、ほぼ重なります。東京など大都市圏は年金への依存度が低く、地方は高いという傾向です。

 年金の財源は、保険料と税金。所得の再分配、消費への寄与を評価する向きもありますが、年金だけでは生活できず、預貯金を取り崩しているのが現実です。こうした状況では経済、とくに地域経済に元気は出ません。

 大都市への人口集中を是正するための産業再配置、共働き世帯でも安心して子育てができる少子化対策など現状を打開するための政策が必要です。

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