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【生活図鑑】

「居宅介護」の実態(No.226) 悩み抱える家族 60%以上

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 介護保険の認定者は毎年増え続け、2008年1月末で約450万人になりました。介護サービス受給者の大半は、訪問介護など居宅サービスを選択していますが、居宅介護者の中心は家族です。介護者の高齢化も目立ち、60%以上の人がさまざまな悩みやストレスを抱えているのが現実です。

 高齢化に伴い、介護保険の第一号被保険者(六十五歳以上)、要介護認定者や介護サービス受給者は毎年増えています。

 二〇〇八年一月末で、将来認定者になりうる第一号被保険者は約二千七百三十六万人。第二号被保険者(四十−六十四歳)と一号被保険者を合わせた認定者は四百五十万人、受給者は三百六十八万人に達しました。

 認定者、受給者は今後も増え続ける見通しですが、認定者数と受給者数には百万人近い開きがあります。家族による介護や経済的理由などで介護サービスを受けていない人がいるのです。

●サービス利用266万人

 介護サービスの受給状況をみると、〇八年一月末で居宅サービスの受給者は二百六十六万人。訪問介護、デイサービスなどの通所介護、ショートステイといわれる短期入所や福祉用具の貸与などのサービスを有料で受けています。

 特別養護老人ホームなど施設サービスの利用者は、施設の少なさや費用の多さなどから八十二万人。介護保険制度が始まってから現在までそれほど大幅には増えていません。〇六年四月に導入した夜間対応型訪問介護など地域密着型サービスは、十九万人程度の利用者にとどまっています。

 こうしてみると、圧倒的に居宅サービスの利用者が多いのです。

 その半面、厚生労働省の〇七年国民生活基礎調査によると、居宅サービスを利用しなかった世帯が23・6%ありました。その理由は、「家族介護で何とかやっていける」「本人で何とかやっていける」「他人を家に入れたくない」「受けたいサービスがない」「負担が払えない」などでした。

●介護者の高齢化進む

 入浴などで訪問介護を利用していても、居宅介護の中心は「家族」というのが実態です。家族で何とかやっていきたい、という思いが強いようです。配偶者、子どもや子どもの配偶者で介護しているケースが大半です。

 しかし、体力が必要な介護で女性への依存度が高く、介護者の高齢化も深刻です。そうした背景から、介護者の60%以上が介護の悩みやストレスを抱えています。

 具体的には、「家族の病気や介護」「自分の病気や介護」「自由な時間がない」「家族との人間関係」「経済問題」「家事」などです。核家族、高齢化の進展で介護する側の心身の負担、経済的負担は増すばかりです。家族中心の居宅介護にも限界があります。

 介護事業では、介護労働者の重労働と低賃金、離職率の高さが社会問題になっており、こうした問題の是正が、次回介護報酬改定のひとつの焦点です。その一方、介護疲れによる悲惨な事件も後を絶ちません。政府は、介護を担う家族の負担を軽減する対策を急ぐ必要があります。

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