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【生活図鑑】

遺伝子組み換え食品(No.228) 使用量少なければ表示義務なし

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 かつて安全性をめぐりひとしきり議論が交わされた遺伝子組み換え食品。原材料に遺伝子組み換え農作物の有無などの表示を義務化したことで、消費者の不安感は多少薄らいでいるようです。しかし、表示ルールには抜け道がある、との指摘もあります。

 遺伝子組み換え食品とは、遺伝子を操作し品種改良をした農作物を使った食品です。遺伝子組み換えで害虫や病気に強い作物を育て、収穫量を増やすのが狙いです。

●23カ国で商業生産

 日本では商業的な遺伝子組み換え農作物は栽培されていませんが、海外では米国やアルゼンチン、中国など二十三カ国で栽培されています。一九九六年の栽培面積は百七十万ヘクタールでしたが、二〇〇七年には一億一千四百三十万ヘクタールに大幅増加。対象作物は、大豆、トウモロコシ、ワタ、ナタネなど油糧原料や飼料用農作物が中心です。

 輸入される遺伝子組み換え農作物の安全審査は国が行っています。食品としての安全性は、既存の食品と比較して評価されます。食品にはさまざまな成分が含まれるので、すべての成分について安全性を評価することはできないとし、遺伝子組み換え食品の安全性はこれまで食べてきた食品と比べ、同じ程度かどうかで判断されます。

 安全性が確保されているとはいえ、不安を感じる人も少なくありません。そこで、遺伝子組み換え食品かどうかを消費者が識別できるよう、日本農林規格(JAS)法と食品衛生法で表示ルールが定められています。

 対象は〇八年現在、大豆やトウモロコシなど七作物およびその加工食品(三十二食品群)。遺伝子組み換え作物が原材料に含まれる加工食品は、「遺伝子組み換えのものを分別」「遺伝子組み換え不分別」等の表示義務があります。

●表示に“抜け道”?

 加工食品では、遺伝子組み換え作物が主な原材料として使用されている場合に表示義務が発生します。主な原材料とは、「全原材料に占める重量の割合が上位三位まで」かつ「原材料に占める重量の割合が5%以上」と定められています。つまり、使用量が少なければ、表示しなくてもいいというわけです。

 遺伝子組み換え作物が含まれないことは、任意表示となっています。しかし、この表示には注意すべき点があるようです。

 非遺伝子組み換え作物と遺伝子組み換え作物の混入が起こらないように分別生産流通管理することが、表示の基本です。しかし、両作物の混入率が5%以内であれば、遺伝子組み換えではない、との表示が可能です。欧州連合(EU)の混入率は0・9%以内です。

 食べないことを選択しても、知らず知らずのうちに5%は口に入っている可能性があるのです。

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