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【生活図鑑】

育児休業制度の課題(No.231) 「短時間勤務」の義務化急げ

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 育児休業を取得する女性が89%にも上っています。働きながら子育てできる環境が整ったかに見えます。しかし、育児休業制度を利用し、休暇を取得した後に、仕事と子育ての両立ができず、退職する女性は後を絶ちません。短時間勤務ができる制度の確立や、有期契約労働者が利用しやすい制度への見直しなど仕事と子育ての課題を探りました。

 育児休業制度を利用し休暇を取得した女性は、二〇〇七年で89・7%、男性は1・56%でした。男性の育児休業取得率は向上していませんが、女性については政府目標の80%を上回りました。

 しかし、第一子出産前に就労していた女性の70%は出産で退職しています。また、出産前後で退職した女性の約30%は、仕事を続けたいとの希望があったものの「体力が続かない」などの理由で、仕事の継続をあきらめていました。実際には、育児休業を取得しても、職に復帰してからの長時間労働や、子育て支援が少ないため、仕事を続けることができない現実が浮き彫りになっています。

●導入事業所5割以下

 現在の育児・介護休業法では、育児休業制度に加え、短時間勤務(勤務時間短縮措置)の取り組みを、子が三歳に到達するまで、事業主に義務付けています。ただ▽短時間勤務▽フレックスタイム▽始業終業時間の繰り下げ、繰り上げ−などのいずれかを行う義務にすぎません。労働者が望む制度が職場にあるとは限りません。

 なかでも短時間勤務の要望は強いものの、同制度を導入している事業所の割合は〇七年で49・5%(雇用均等基本調査)と50%を割っています。

 厚生労働省の調査では、短時間勤務制度を導入しない理由として、「制度の対象となる従業員が少ない」「短時間勤務のニーズがない」などが上位を占めています。

 しかし、そのように回答した企業の従業員の約40%は、制度があるなら短時間勤務制度を利用したいと考えていました。企業が子育て支援の要望を的確にとらえていないことが分かります。短時間勤務制度の義務化などが必要になっています。

●パートも社員待遇に

 〇五年に改正された育児・介護休業法では、パートなど有期契約労働者も育児休業の対象として明記されました。

 しかし、労働政策研究・研修機構によると、有期契約労働者が育児休業を取得した事業所の割合は1・7%、有期契約労働者がいる事業所だけでみても3・1%にすぎません。雇用期間に定めのない正社員の取得した事業所割合が8・8%だったのに比べ、有期で働く人の取得が進んでいないことが分かります。

 育児休業を取得しなかった有期契約労働者の約60%は、休業を取得したい希望がありました。取得しなかった理由は「制度適用対象外」「職場に育児休業制度がなかった」などで、有期契約労働者に対する制度が定着せず、内容も十分でないことがうかがえます。

 三人に一人は非正規労働者である事実を考えれば、有期雇用で働く人が育児休業を取得しやすい制度が必要です。

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