東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 生活図鑑 > 生活図鑑シリーズ・バックナンバー > 2008年の記事一覧 > 記事

ここから本文

【生活図鑑】

自転車利用と道路(No.232) 事故多発 追いつかぬ道路整備

写真

 健康対策、環境意識の高まりから、自転車の利用が拡大しています。しかし交通事故は多発しており、一番多い自動車との事故に加え、歩行者との事故が急増しています。背景には歩行者・自転車と自動車が安全に共存できる道路の未整備があるようです。

 有害物質や二酸化炭素を出さず、健康増進にも役立つ自転車が見直されています。国内の保有台数は、約七千万台で着実に増えています。

 しかし、交通事故多発という問題を、長年抱え続けてきました。自転車の事故件数は、若干減っていますが、それでも年間十七万件台です。二〇〇七年には交通事故全体の20%を超えました。

●歩行者に強者の立場

 事故の相手で一番多いのは自動車。〇七年で約十四万一千件と約82%を占め、十年前に比べ約10%増でした。一方、対歩行者では、二千八百五十六件で十年前の約四・五倍、自転車相互の事故は、四千百五十九件で六・五倍に激増しました。

 自転車に乗る人は、「被害者」にもなれば「加害者」にもなるのです。交通死亡事故の中で、自転車乗用中に起きた事故の割合をみると、日本は〇六年で14・3%と欧米に比べかなり多いのが実態です。

 自転車は、道路交通法で軽車両に分類され自動車と同じ扱いです。車道走行が原則で、車道の左端を走るように定められています。

 しかし、自転車と自動車では、大きさ、重量、走行速度も違います。自転車に対して自動車は圧倒的な強者です。日本は自動車中心の交通社会ですが、一九七〇年の道交法改正で自転車に対し、例外的に一定の歩道通行が認められました。

 自転車が一斉に歩道へ上がった結果、歩行者に対し強者の立場に変わり、人に優しいとは言い切れない存在になっています。自動車のドライバー同様、自転車に乗る人も走行マナー、歩行者への配慮が不可欠です。

●専用道は0・2%

 こうした背景には、歩行者や自転車に優しい道路整備の遅れがあります。

 〇七年時点で、日本国内で自動車や歩行者と分離され、自転車が専用に走ることができる道路は五年前より約五百キロメートル増の二千六百五十七キロで、全国の道路延長約百二十万キロの0・2%にすぎません。

 自転車先進国オランダでは17%、ドイツでも5%といわれています。また、パリでは市内の道路延長約千六百キロに対し、〇七年までの十年間で四百キロの自転車専用道を整備。一〇年までに五百キロに拡充する計画です。

 日本ではようやく、▽歩道通行に一定の秩序を導入する道交法等の改正▽全国で九十八のモデル地区を指定し自転車道や自転車レーンの整備−などに着手しました。

 事故対策、人や環境に優しい道路整備は、始まったばかりです。

ご注文はこちらから
 

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報