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【生活図鑑】

悪化する地方自治体の財政(No.234) 赤字拡大の恐れ 住民生活に影落とす

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 総務省が全地方自治体の財政悪化度を調査した結果、43の市町村が早期健全化基準を超えて悪化していました。基準以下ながら赤字の自治体もかなりあります。地方は国や政治に振り回され公共事業を拡大、赤字を垂れ流す放漫経営を続けた結果、そのツケに一番苦しむのは、住民なのです。

 総務省は、地方自治体財政健全化法に基づき、全国千八百五十七自治体を対象に、実質赤字比率など四つの指標で財政状態を調査しました。

 その結果、四十三の市町村が、警告となる早期健全化基準を上回っていました。そのうち北海道夕張市、長野県王滝村など三市村は、破たん状態を示す財政再生基準を超えるほど悪化。また、基準以下だが、実質赤字という自治体も数多くあります。(図参照)

 資金不足比率の指標では、病院、宅地造成事業等を手掛ける百五十六の公営企業で経営健全化基準を上回っています。

●本番は09年度以降

 自治体財政健全化法は、二〇〇九年度からが本番。各自治体は、〇八年度決算の財政状態を、実質赤字比率、連結実質赤字比率など四つの指標でチェックします。一つでも早期健全化基準を上回るほど悪化していれば、〇九年度中に自ら健全化計画を策定し、実施状況の議会報告と外部監査が義務付けられます。

 破たん状態を示す財政再生基準を超えるほど財政状態が悪化していれば、再生計画策定で総務相との協議、同意が必要になり、国の監視が厳しくなります。増税による住民の負担増、各種行政サービスの低下など庶民の生活に影を落とします。

 〇八年度の経済情勢をみると、税収など自治体の財政が〇七年度より悪化するのは必至です。

 火種は、ほかにもあります。第三セクターや土地開発公社など地方公社への損失補償、債務保証です。三セクや公社の経営が破たんすれば、自治体がその債務を肩代わりするもので、〇七年三月末時点で債務残高は八兆六千三百二十億円です。

●住民参加型の監査を

 この債務は、自治体の将来負担比率押し上げ要因です。返済原資として特例的に地方債の発行を認める案も浮上していますが、借金が増えるだけです。赤字拡大の危険性は解消されません。

 地方自治体は放漫経営体質、と批判される一方で、▽公共事業を中心とした景気対策とそのための地方債の膨張▽構造改革の名の下に実施された地方交付税削減−など政治に振り回されている側面も否定できません。麻生政権の景気対策でも振り回され、戸惑いを隠せないでいます。

 失政のツケを住民に回させないためにも、計画を立案した首長ら自治体関係者、承認した議会の責任の明確化、情報公開の徹底と住民参加型の監査が必要です。

 地方自治体、議会の活動に目を光らせることが重要です。

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