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【生活図鑑】

障害者雇用の現状(No.235) 法定雇用率 達成企業は5割弱

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 政府は「福祉から雇用へ」を掲げ、障害者の雇用率を2013年度までに64万人にする計画を進めています。しかし、民間企業の障害者の雇用率は08年1.59%と若干、改善してきているものの、法定雇用率(1.8%)を下回ったままです。法廷雇用率を達成した企業割合も50%を下回っています。また、批判の多い障害者自立支援法の見直しを含め、福祉と雇用の連携も課題です。

 障害者の雇用、就業政策である「福祉から雇用へ」推進五カ年計画(二〇〇七年十二月)では▽一三年度までに、従業員五人以上の規模の企業に雇用されている障害者数を六十四万人に拡大する(〇三年度四十九万六千人)▽一一年度までに、年間九千人の障害者を福祉施策から一般雇用に移行する−などの目標を掲げています。

 しかし、民間企業(五十六人以上の規模の企業)の雇用状況は、法定雇用率1・8%に達していません。達成した企業の割合も44・9%です。法定雇用率未達成企業のうち、障害者を一人も雇用していない企業は62・9%もありました。

 規模別にみると、中小企業の達成率が低く、中小企業の雇用促進などを図るため、障害者雇用促進法改正案が国会に提出されましたが、審議が進んでいません。

●福祉と雇用の連携

 〇六年から施行された障害者自立支援法では、障害者の地域生活と就労を進め、自立を支援する目的を掲げています。同時に、福祉サービスを利用した場合は、利用料として一律10%の自己負担が課せられました。

 現在、就労支援として、就労移行支援、雇用契約に基づく就労(就労継続支援A型)、一般雇用が困難な場合や一定の年齢に達している人への支援(同B型)などがあります。

 しかし、福祉的就労と労働の位置づけがあいまい、との指摘もあります。また、一般雇用が最終目標のように位置づけられ、個々の障害者の実情を反映していない、などの批判もあります。

●負担のあり方再考を

 就労が十分でない障害者が多数いるなか、自己負担が重すぎるなど、自立支援法の見直しを求める意見も強くあります。負担面では、法律通り受益に応じた負担を基本にするのか、能力に応じた負担とするのか、再考する必要もありそうです。

 とくに「福祉的就労の場」での利用料の撤廃を含め、どのようにするのかが課題です。さらに労働者としての権利をどのように確保していくのかも、議論が必要です。

 一方、福祉施設などでの工賃水準の向上を図るため、〇七年度に都道府県ごとに工賃の倍増を図る「工賃倍増計画支援事業」を創設し、一一年度までに現状工賃の倍増を目指しています。

 また、政府は自立支援法の抜本見直しに向けた緊急措置などを行っているほか、法律の見直しも進んでいます。

 しかし、福祉と雇用政策が縦割りとの批判もあり、地域によっては障害者への就労情報ネットワークが機能していないなどの問題も残ったままです。

 トライアル雇用制度の充実や、賃金補てん制度など障害者の雇用を促進するための連携と政策が欠かせません。

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