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【生活図鑑】

若年層の高失業率(No.246) 雇用崩壊が直撃 さらに悪化の懸念

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 米国に端を発した大不況は、輸出頼みの日本経済を直撃。倒産、雇用崩壊の嵐が吹いています。真っ先に職を失ったのは、派遣など非正規労働者。その中には正規雇用への道を狭められた15−34歳の若年層がかなり含まれています。働き盛りの若年層の失業率悪化は、将来に大きな禍根を残しかねません。

 十五−三十四歳の若年層の失業率は、全体の失業率に比べ高水準です。少子化に伴う若年労働力人口の減少や景気変動に加え(1)求人と求職のミスマッチ(2)やりたい仕事を探すための自発的失業(3)企業側の採用抑制−などが要因とされています。

 そうした背景も手伝い、いわゆるフリーターや無業者といわれるニートが増えたようです。三十四歳までのフリーターは減少傾向ですが、三十五歳以上の年長フリーターはかなりいる、とされています。ニートは六十二万−六十四万人で推移しています。

●厳しい適職探し

 一方、デフレ不況と戦後最長といわれた景気拡大局面で、終身雇用の見直しとともに、労働者派遣などの規制緩和が急速に進み、若年層でも派遣社員など非正規雇用が拡大してきました。

 企業は、固定費削減の一環として人件費を圧縮。賃金以外に社会保険料などを企業側が負担する正規雇用を抑制・厳選し、低廉で解雇しやすい非正規雇用を増やしてきたのです。

 働く側にも▽自分の都合に合わせた働き方▽適職を見つけ非正規から正規雇用への転換を図る−などの意識もあったようです。

 しかし、二〇〇八年十−十二月期の国内総生産(GDP)は、年率換算で12・7%減という大幅な落ち込み。戦後最悪の経済危機に陥りました。経済危機は、雇用崩壊という形で正規、非正規労働者を直撃。

 中でも、若年層を含む非正規労働者は〇九年三月までに約十二万五千人が雇い止め等で職を失うとされています。製造業への派遣を解禁したことで、単純作業に従事する派遣労働者が増えた結果、若年層を中心に「未熟練」の非正規労働者の増大という「ゆがみ」をもたらしました。

●雇用拡大へ制度改正

 景気の先行指標である有効求人倍率は、若年層でも〇八年一年間で急降下し、好転の兆しは見えません。失業率の悪化は必至で、とくに若年層の失業率がかつてのように大幅に悪化する懸念が強まっています。

 厳しさを増す雇用情勢−。働く側には、過去の幻想を捨てると同時に賃金問題への対応等で意識改革が求められます。企業側には、ワークシェアリングによる雇用の維持・拡大、非正規から正規雇用への転換促進などが要求されます。

 政府は、雇用保険法の改正、地域での雇用創出や職業訓練の拡充などの雇用対策を打ち出しています。介護分野等で低賃金の改善などを図り、雇用を拡大するための制度改正も必要です。

 失業増大による社会不安を回避するためにも、雇用対策の早期実施が不可欠です。

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