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【生活図鑑】

難航する年金記録解明(No.254) 1162万件 不明のままか

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 2007年から進められている宙に浮いた5000万件の年金記録の解明が難航しています。最終的には、約23%にあたる1162万件が未解明になる可能性もあります。また、厚生年金の改ざんの全容の解明など、新たな問題も抱えています。政府は「ねんきん定期便」で保険料納付実績や見込み額の通知をはじめるものの、さらなる年金記録への対応が問われています。

 宙に浮いた五千万件の年金記録のうち、〇九年三月時点で、基礎年金番号に統合されたのは千十万件。死亡や脱退手当金を受け取っていたなど一定の解明がなされたのは千六百十六万件でした。解明されたと政府が判断しているのは、合わせて約51・5%に当たる二千六百二十六万件です。

 また、基礎年金番号の記録と結びつく可能性があるとして「名寄せ特別便」を送付したのが七百七十四万件、解明作業中が五百三十三万件です。

 しかし、今後、解明を進めても統合が難しいとみられ、最終的にはネット上などに公開し、手がかりを得るとしている件数は千百六十二万と約23%にも上ります。

 さらに、住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)の照合で、名前や住所が判明しながら本人に知らされていない放置された記録が約三百十一万件ありました。加入期間が年金受給資格の二十五年に達しない、などの理由で放置されていたものです。この中には基礎年金番号さえ振られていないものがあるとみられています。

 社会保険庁は加入期間十年以上二十五年未満の約二十四万件の記録について本人へ通知するほか、十年未満の約二百八十七万件についても通知の検討をしています。

●改ざん疑われる144万件

 会社員が加入する厚生年金の改ざんについての全容解明も進んでいません。改ざんは(1)標準報酬月額(給与水準)が五等級以上引き下げられている(2)六カ月以上さかのぼって記録が処理された−などに該当する約六万九千件(約四万二千事業所)が疑わしいとされています。

 これを受け社会保険庁が、改ざんが疑われる年金受給者二万人に行った戸別訪問(一月十三日時点)では、記録が事実と相違ありとした割合は55%に上っています。

 しかし、改ざんがどのようにして行われ、実数がどれくらいなのかは分かっていません。今後、六万九千件が該当する三条件のうち、いずれかに該当する延べ約百四十四万件については、「ねんきん定期便」に注意喚起を行う文書を同封することにしています。

 また、従業員だった人を中心に給付額の訂正を行う検討も行われていますが、具体的にはまだ決まっていません。

●訂正期間は短縮へ

 年金記録訂正から年金支給までの期間も長すぎると批判されています。〇八年十二月時点で、社会保険事務所で年金の記録訂正を受け付けてから受給者に訂正した年金を支払うまで、平均九カ月かかっています。

 年金の記録訂正は、まず各社保事務所で申請を受け付け、訂正を済ませた後、東京の社会保険業務センターで正しい年金額を確定する再裁定作業を行います。社保事務所からセンターへの申請まで約二カ月。さらに、センターで再裁定の処理から実際に増額分が支払われるまで平均七カ月かかっています。

 このため、職員数を増員し、〇九年夏ごろをめどにセンターでの処理期間を約三カ月で行えるようにする方針です。

 一方、消えた年金や十分な証拠がない場合など、記録訂正には第三者委員会への申し立てもできます。しかし、訂正が必要としたのは38%にすぎず、記録訂正の難しさがうかがえます。

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