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【生活図鑑】

保育所の待機児童 急増(No.259) 不況下の職探し ママに「預け先」の壁

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 許可保育所に入りたくても入れない「待機児童」が急激に増加しました。景気の悪化で家族が失業したり世帯収入が減るなどし、家計を補うために仕事を求める専業主婦が増えているためです。

 厚生労働省のまとめでは、待機児童数は昨年四月時点で一万九千五百五十人に上り、半年後の十月には四万百八十四人と倍以上に増加しました。四月、十月時点ともに二〇〇三年をピークに減少を続けてきましたが、ここへきて“保育所難民”が増加に転じています。

 国は〇二年四月から「待機児童ゼロ作戦」を三年間実施し、保育所数を増やしました。さらに昨年四月から新たなゼロ作戦を始めたものの、環境の整備を上回る勢いで「子どもを預けたい世帯」が急増しました。

●世帯収入が減少

 背景には共働き世帯が引き続き増加していることが、まず挙げられます。加えて、景気の急速な悪化によって家族が失業し、世帯収入が減少したため、それまで専業主婦だった母親が働きに出る必要に迫られています。同省のまとめでは昨年一月以来、毎月の給与は前年を下回り、求職者数も増加の一途です。

 保育所は母親が求職中でも申し込むことができます。しかし、すでに就職している場合に比べ、入所の優先順位が低く、待機児童になりやすい仕組みです。子育て中の女性が就職を考えた場合、子どもの預け先が確保できないと仕事は決まりづらく、そもそも幼い子どもを抱えていては就職活動がままなりません。保育所に入れるかどうかは職探しの生命線なのです。

●2歳以下が76%

 待機児童が集中しているのは主に都市部で全体の八割近くを占めています。年齢別にみると、二歳以下が76%に達しています。これは日中、幼稚園などに通わせることのできる三歳以上に比べ、預かり手が少ない上に、受け入れる定員枠も狭いためと思われます。

 国は緊急対策として▽自宅などで子どもを預かる「保育ママ」の対象年齢を三歳未満から就学前まで引き上げる▽認可外保育施設の開設費用の補助−などを示しました。

 認可外保育施設は保育料が割高な場合もあります。不況の中、認可保育所の希望者が減少するとは考えられません。「預けられないから働けない」という生活の根本にかかわる悪循環を断つため、子育てに見合った環境整備が急務です。

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