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【生活図鑑】

改正 派遣指針(No.261) 契約解除と解雇を是正へ

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 派遣などで働く人の失職が続いています。雇用打ち切りは厚生労働省調べで約21万6000人にも達しました。一方、派遣指針が改正され、契約が中途解除されても派遣会社(派遣元)は労働者に雇用期間中の賃金を支払うことや、派遣先も就業先を確保することなどが定められました。その内容と効果は?

 派遣元、派遣先事業主が行わなければならない事柄をまとめた派遣指針が改正されました。

●派遣先に損賠責任も

 派遣先については、派遣契約を中途解除する場合は、派遣会社の合意を得るほか、あらかじめ相当の猶予期間をもって、解除を申し入れる必要があるとしています。

 また、派遣先は、関連会社などへの就業をあっせんするなど、就業の確保を図る必要があるとされています。もし、就業機会が確保できない場合は、派遣会社に対し、生じた損害の賠償を行う必要があると定められました。

 派遣元である派遣会社に対しては「労働者派遣契約と労働(雇用)契約は別」との姿勢を明確にしました。派遣契約が派遣先から解除されても、労働者との雇用に関する労働契約は解除されていないので、雇用期間満了まで賃金を支払う必要があるとしています。

 また、新たな派遣先をあっせんするなどの努力をし、それでも労働者が就業機会に恵まれなかった場合、まず休業などを行い、安易な解雇を避けるように促しています。さらに、休業期間中は、労働基準法に定められた平均賃金の六割以上の手当を支払わなければならないとしています。

 指針は、派遣労働者などの就業確保を優先するように改正されましたが、現実はどのようになっているのでしょうか?

 厚労省の調べ(五月報告、速報)では、派遣先による契約の中途解除や雇い止めにあった、またはその予定の労働者は二十一万六千四百八人に達しています。内訳は派遣が約十三万五千人、契約(期間工など)が四万七千人、請負一万七千人などでした。

●離職理由86%は解雇

 また、厚労省が把握した中途解除にあった労働者約三万六千人(〇八年十一月以降、〇九年四月十四日時点)の雇用状況によると、就業機会を得たのは10・9%にすぎませんでした。83・4%の労働者は離職を余儀なくされ、しかもそのうちの86・2%は派遣会社から解雇されていました。

 これでは、派遣元としての責任を果たしているとは言えません。派遣元、派遣先ともに指針を守ってほしいものです。

 しかし、指針はあくまでも指針であり、行政指導の根拠にすぎません。指針だけでなく、派遣法など労働法の改正が必要です。

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