東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 生活図鑑 > 生活図鑑シリーズ・バックナンバー > 2009年の記事一覧 > 記事

ここから本文

【生活図鑑】

大学など高等教育の奨学金(No.266) 滞納増え貸与型見直しの声

写真

 不況で家計が厳しいなか、教育負担が重くなっています。とくに大学など高等教育の負担は増すばかりです。経済的理由で学業を断念しないために、奨学金制度を活用する学生数も年々増加しています。ただ、わが国の奨学金は貸与型が中心で、さまざまな問題も指摘されています。

●大学生3割利用

 奨学金の貸与者数、貸与額ともに最も多いのは日本学生支援機構(旧日本育英会)です。二〇〇八年度の貸与者数は約百二十二万人と十年前の約二・四倍、貸与額も約九千三百億円と約三・五倍になっています。増加の原因は不況で家計が厳しくなっていることが影響しているとみられています。ちなみに、〇七年度では大学生の約三割に奨学金を貸与していました。

 日本学生支援機構の奨学金には、無利子貸与の第一種奨学金と有利子貸与の第二種奨学金の二種類がありますが、最高で月十二万円借りられる第二種が貸与額全体の約七割を占めています。

 貸与は、学力と年収・所得で基準が設けられ、無利子である第一種の基準が厳しくなっています。学力の基準では、高校での成績が五段階評価で平均三・五以上などが決められています。これについては、出身校のレベルによる不公平が生じるという声もあります。

 申し込みについては、入学前年に予約する予約採用と入学後に申し込む在学採用を基本として、家計の急変等により申し込む緊急採用等もあります。申し込み手続きは在学中の学校の奨学金窓口で行い、募集は毎年春ごろに行われます。

 予約採用に関しては、通常、夏ごろまでに募集は締め切られます。しかし現在の経済状況を考え、〇九年度は締め切り後でも、家計が急変した場合は予約を受け付ける措置をとっています。

 奨学金の貸与期間は、原則入学年の四月から卒業まで。ただし、貸与期間中は毎年一回、適格認定を受けなければならず、学業成績の不振等により、貸与の停止・廃止となる場合もあります。

●延滞にペナルティー

 日本では約三千もの公的機関や民間団体、学校などが、奨学金事業を行っています。しかし、日本の奨学金は返済義務のある貸与型がほとんどです。欧米では、通常、返済の必要のない給与型のものを奨学金と呼び、貸与型はローンとして区別している場合もあります。

 わが国は、貸与であるため返済が必要です。しかし、若年層の失業率が上昇するなか、延滞も少なくありません。無利子、有利子ともに、ここ十年で約5ポイント延滞率が上昇しています。

 そこで延滞対策として、回収強化策が始まりました。貸与の条件として「個人信用情報の取扱いに関する同意条項」への同意が必要となりました。これにより一〇年度からは、三カ月以上延滞すると、個人信用情報機関のブラックリストに載せられます。掲載されれば社会生活に支障も出かねません。

 このため、貸与型では奨学金として問題が多いとして、給与型の設置をはじめとした制度改革を国に求める声も高まっています。

ご注文はこちらから
 

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報