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【生活図鑑】

新たな雇用のセーフティーネット(No.267) 職業訓練中の生活支援金を支給

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 雇用保険を受給できない非正規労働者などを支援する「緊急人材育成・就職支援基金」が3年間の予定で、7月中旬から順次、始まりました。離職者が職業訓練を受けている間の生活支援として月最大12万円が支給されます。これまで雇用保険の枠組みからはずれると生活保護しかセーフティーネットがありませんでした。新たなネットと位置づけられる基金のしくみは?

 基金は総額七千億円で、(1)職業訓練中の生活保障(2)中小企業の雇用創出(3)長期失業者の再就職支援−などを行います。

 職業訓練では、認定を受けた専修・各種学校などが実施する新たな基金訓練として三十五万人分の枠があります。訓練内容は「再就職に必要なコンピューター利用の文書作成、表計算などITスキルを習得する三カ月訓練」「医療、介護・福祉分野などで、活躍できる能力を習得する六カ月から一年程度の訓練」です。

 七月中旬から順次、基金の訓練コース内容をハローワークの窓口や中央職業能力開発協会のホームページで公開。訓練受講にはコースにより、面接・筆記試験などを行う場合もあります。

●最大12万円を支給

 ハローワークのあっせんによって教育訓練を受講している期間は、生活保障として「訓練・生活支援給付金」が支給されます。支給額はたとえば単身者の場合、月額十万円、被扶養者のいる場合十二万円、支給期間は最大で二年の予定です。

 支給対象の条件は、雇用保険の給付を受給できず、申請時点で世帯の主たる生計者です。年収は二百万円以下、世帯全体でも三百万円以下とされています。預貯金など金融資産も世帯全体で八百万円以下で、住居地以外に土地などを所有していないなどとなっています。この条件を満たせば、基金訓練だけでなく、公共職業訓練受講者でも給付対象になります。

 さらに、希望すれば給付金に加え、労働金庫から融資(被扶養者のいる人八万円、単身者五万円)を受けることもできます。訓練終了六カ月後までに六カ月以上の雇用が見込まれる就職をした場合は、融資された額の50%相当額の返済が免除されます。

 訓練、支援給付金の申請先は訓練のあっせんを受けたハローワークになります。

 このほか大都市圏を中心に、長期失業者について民間の職業紹介事業者を通じて再就職支援を行います。紹介事業者は一人あたり二十万円を受け取り、講習などを行い、就職を支援します。住宅を失った人については、生活・就職活動費として三カ月で三十万円、住居確保のため上限二十万円が基金から事業者に支払われ、事業者は失業者に生活・就職活動費や住居の提供を行います。

 また、十分な経験のない求職者を職場体験や実習で受け入れた中小企業に対し、基金から助成金が出るなど、中小企業などの雇用創出事業なども行います。

●3年間だけで十分?

 新たな雇用のセーフティーネットの必要性を訴えてきた連合の小島茂総合政策局長は「ようやく雇用保険と生活保護の間にセーフティーネットができたことは評価する。しかし、失業者が本当に利用しやすい制度にする必要がある。また、三年間のみの制度ではなく、恒久的なものにしていくべきだ」と指摘しています。期間が限られたネットで十分なのか、今後、議論を呼びそうです。

 制作・亀岡秀人

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