東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 生活図鑑 > 生活図鑑シリーズ・バックナンバー > 2009年の記事一覧 > 記事

ここから本文

【生活図鑑】

無保険車の事故と政府保障(No.272) 国が肩代わり 被害者を救済

写真

 交通事故による被害者の損害を最低限補償してくれる自賠責保険。加入が義務づけられているものの、未加入の車が少なからず存在します。無保険車による事故の被害者を救済する制度について調べてみました。

 強制保険とも呼ばれる自賠責保険(または共済)は、自動車損害賠償保障法に基づき、原付き(ミニバイク)も含めたすべての自動車に加入が義務付けられています。交通事故による被害者の救済を目的に、最低限の補償を行います。

 しかし、自賠責保険に未加入の車が起こした事故では、最低限の補償さえ受けられないことも少なくありません。

●二輪車に多い未加入

 四輪車の場合、自賠責保険の加入・継続は車検に合格するために必要です。車検切れでもない限り、無保険車となることはまれです。しかし、二輪車の場合、ミニバイクを含む二五〇cc以下のバイクには車検制度がありません。このため、自賠責保険の満期年月を失念し、加入手続きを忘れることもあります。

 国も実態は把握できていませんが、課税対象台数と自賠責加入台数から計算したミニバイクの自賠責加入率は八割未満。ミニバイクの二割以上が無保険と推計されます。当然、無保険車による事故の確率も増すわけです。

 無保険車との事故では、被害者が損害をすべて被ることになるわけではありません。加害者の特定ができないひき逃げなどとともに、自動車損害賠償保障法に基づいた救済の道が残されています。

 政府保障事業は、加害者に代わって国が被害者の損害を補償する制度です。全国の損害保険会社や農協等が請求の窓口となり、自賠責保険と同じ限度額の補償を受けることができます。

●「人身」のみ対象に

 対象も自賠責保険と同様に人身事故による損害のみとなり、車の修理費など物損事故による損害は対象外です。また、人身事故であっても、自損や親族間の事故なども対象になりません。

 保障事業は自賠責保険と異なる点もあります。まず、請求できるのは被害者側のみです。加害者は後に、被害者に支払った保障金を国から全額請求されることになります。

 社会保険からの給付が受け取れる場合は、受け取ったか否かにかかわらず、その金額は保障額から差し引かれます。基準通りに処理されるため、保障額の交渉の余地などはありません。

 事実関係の調査などに時間をかけるため、請求手続きから支払いまでに一年以上かかることも珍しくありません。請求には原則二年の時効もあり、注意が必要です。

 交通事故では、損害賠償額が数億円にのぼることもあります。また、自賠責保険と任意保険のあり方も問われているなか、被害者救済策のさらなる整備が国には求められています。

ご注文はこちらから
 

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報