東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 生活図鑑 > 生活図鑑シリーズ・バックナンバー > 2009年の記事一覧 > 記事

ここから本文

【生活図鑑】

要介護認定の見直し(No.273) 事実上、従来基準に戻ったが…

写真

 2009年4月から始まった新基準による介護保険の要介護認定で、軽度に判定された割合が増えたため、10月から一部、認定方法を見直すことになりました。見直されるのは、高齢者の心身状況に関する調査項目(74項目)のうち、43項目です。事実上、従来の調査項目の基準に戻ったことになります。これで、認定の混乱はなくなるのでしょうか?

 介護保険のサービスを希望する場合、必要な介護サービス量は要介護認定によって決まるしくみです。介護の必要がない非該当と、サービスが必要なら「要支援1」から「要介護5」まで認定されます。

 認定は、まず調査員が、あらかじめ決められた調査項目に基づいて本人の心身の状態を聞き取って調べます。その結果をコンピューターで「一次判定」します。さらに主治医の意見書などをもとにして、専門家による審査会の「二次判定」で要介護度が決まります。

 厚生労働省は、認定にばらつきがあるとしてコンピューターソフトや調査項目を見直し、〇九年四月から、要介護認定の基準を大幅に見直した新要介護認定を始めました。

 しかし、基準変更の内容が徹底されなかったうえに、基準見直しで軽度に判定されるという介護現場からの懸念が的中。四、五月の認定状況は、一次判定で非該当と判断された新規申請者(初めて認定を申請した人)が11・4%、二次判定でも5%と前年の倍の結果となりました。

 軽度の判定になった場合、希望すれば従来の認定を継続できる経過措置を実施していますが、新規申請者には適用されないなど、介護現場で混乱が生じています。このため今回、調査項目について、事実上、従来基準に戻しました。

●日ごろの状況で判断

 四月からの新基準では、調査時に日ごろの状況と違っていても「実際に本人に行ってもらった動作や介助の状況で判断する」としていました。これを「日ごろの状況で判断する」に修正しました。

 また、座位の保持では、「座った姿勢を一分保てる」だけで「できる」としていました。厚労省は三月の部分見直しの際も、専門家の意見も聞き、問題ないとしていましたが、批判も多く「座った姿勢を十分保てた場合」に「できる」と、従来の基準に戻しました。

 このほか「起き上がり」などの項目で、自分の身体の一部を支えにして行っても「できる」を選択していましたが、見直しでは「何かにつかまればできる」に変更します。

●新規申請者は再申請も

 修正基準での認定は十月からです。それまでは現在の認定が行われ、従来の認定者が軽度に判定された場合、従来の認定を選択できる経過措置もあります。しかし、十月からは経過措置もなくなります。一方、九月までの新規申請者で「非該当」とされた人や要介護度が決まった人も、軽度に判定された結果と思われるなら、修正基準での再申請などが行えます。

 一方、今回の見直しは聞き取りの認定調査項目中心です。もともと、一次判定のコンピューターソフトは、在宅介護などの人が軽度になりやすいという指摘もあります。今回の見直しで、どのような認定結果になるのか、引き続き検証が必要です。

ご注文はこちらから
 

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報