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【生活図鑑】

子ども手当の試算 中学生以下の子いれば増収(No.276)

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 新政権が政策の柱とする「子ども手当」。施行されれば中学卒業までの子どもに1人当たり年額31万2000円が支給されます(初年度は半額)。所得税の配偶者控除と一般扶養控除、児童手当が廃止される見通しで、家族構成や働き方、年収によって増収、減収が発生します。

 試算は片働き、共働き別、年収別に家族構成を設定し、第一生命経済研究所が行いました。前提は▽所得税の配偶者控除と一般扶養控除、児童手当は廃止▽特定扶養控除(十六歳以上二十三歳未満)は現状維持−などです。所得制限の議論などもあり、実際の施行方法によって異なります。

●片働き世帯で減収も

 試算の結果、中学生以下の子どもがいる全世帯で増収となりました。配偶者控除廃止の影響を受ける片働き世帯より、もともと同控除のない共働き世帯の方が恩恵が大きくなります。また従来の児童手当の支給対象外だった中学生のいる世帯で大きな増収となります。

 年収別では、低所得層ほど増収になる傾向です。所得制限で児童手当が支給されていなかった高所得層も手当の恩恵を受けます。収入にほぼ変化がないのは共働きで子どもがいない、共働きで子どもが十六歳以上二十三歳未満の場合などです。

 減収になるのは片働きで子どもがいない、片働きで高校生以上の年齢の子どもがいる世帯の多くで、子ども手当の支給対象とならないうえに、控除廃止の影響も受けるためです。ただし子どもが高校生の場合、公立高校授業料の無償化や私立高校生に対する助成(年額十二万〜二十四万円)が実施されれば学費負担は減ります。

 同研究所主席エコノミストの永浜利広さんは「子を持つことで金銭的メリットが発生するため、出産を迷っている層が子を持つ契機になる」と分析しています。

●就労促進の可能性

 一方、片働き世帯で配偶者が三歳未満の子どもを保育所に預けて働く場合、どの程度の年収を得れば、世帯全体の収入がプラスになるのか−。子ども手当を加えた新たな収入から、保育料や増税分を差し引いて試算しました。

 配偶者の新年収が約七十万円の場合、もとの世帯年収が五百万円までなら増収になります。七百万円以上の世帯は保育料(所得税額で決定)が高いため減収になります。新収入が約八十万円を上回ればおおむね増収が見込まれます。

 同研究所副主任エコノミストの有馬めいさんは「専業主婦だった女性の労働参加が進む可能性がある。保育料の低い低所得層ほど子どもを預けて働くインセンティブが高くなる」と話します。

 就労促進には、認可保育所の整備や雇用の確保が大前提で、立体的な子育て支援が望まれます。

 制作・杉戸祐子 

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