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【生活図鑑】

年金受給の資格期間 日本は25年 主要国は10年程度(No.277)

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 現在の年金制度で年金を受給するには、原則25年(300月)以上の資格期間が必要です。社会保険庁の推計によると、60歳未満で今後保険料を納付しても25年に満たない人は約45万人、60歳以上で73万人もいます。新政権は、制度の抜本改革を予定していますが、新制度の制度設計、移行には20年ほどかかる見込みです。

 社会保険庁の推計(二〇〇七年十二月)では、六十歳以上(同四月一日時点)の七十三万人が受給資格期間二十五年に達しない無年金者としています。しかし、年金制度が整っていなかった高齢世代のため資格期間の短縮特例があります。試算はこうした特例を考慮していません。

 どのような短縮特例があるのでしょうか?

 まず一九三〇年四月一日以前生まれの人は、いずれかの年金に二十一年から二十四年加入していれば年金を受給できます。

 次に五一年四月一日以前生まれの人なら、男子四十歳以降、女子三十五歳以降の厚生年金加入期間が十五年から十九年あれば中高齢の特例で資格を満たします。

 五六年四月一日以前生まれの人は、厚生年金や共済年金の加入期間が二十年から二十四年あれば、年金を受け取れます。

●高齢加入もできるが

 六十歳未満で、今後、保険料を七十歳まで納付しても受給資格期間の二十五年に達しない人は四十五万人と推計されています。

 国民年金の保険料を納付するのは六十歳に達する月の前月まで。しかし、資格期間を満たしていない場合や、満額の年金額に近づけたい場合は、六十五歳に達する前月まで国民年金に任意加入できます。

 六十五歳に達する前月まで任意加入しても、二十五年の資格期間に満たない人は、さらに七十歳に達する前月まで国民年金に任意加入する特例制度があります。

 ただし、現制度では七十歳まで任意加入できるのは六五年四月一日以前生まれの人に限られます。年齢にして現在、おおよそ四十四歳以上の人です。

 七十歳に達する前月まで国民年金に任意加入しても受給資格期間に達しない場合は、会社などに勤め、厚生年金に高齢任意加入する方法しかありません。

 七十歳以上で就職することは容易ではありません。また、保険料も事業主の同意があれば折半になりますが、なければ全額本人負担です。資格を得るには厳しい条件が伴います。

 実態を正確に把握していないものの、社保庁でも高齢任意加入しているのは、「資格期間まで数カ月など、短い場合ではないか」とみています。

●欧州では期間なしも

 受給資格期間が二十五年というのは長すぎる、と指摘されてきました。先の選挙でも自民、公明、共産党などが資格期間を十年に短縮する方針を打ち出していました。

 主要国を見ても、米国、英国、韓国は約十年です。ドイツは五年。ベルギーは期間で受給の制限を設けていません。フランスも同様ですが、受給には実質的に三カ月の保険料納付が必要です。また、スウェーデンも、最低保障年金に居住三年の制限があるだけです。

 抜本的な制度改革には時間がかかります。無年金、低年金者対策としてたとえば十年などへの期間短縮が当面、迅速に求められています。

 制作・亀岡秀人

 デザイン・伊藤亜美

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