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【生活図鑑】

年金 新制度設計の課題(No.280) 内容、移行過程 十分な説明を

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 政府・与党は、年金制度の抜本改革を行う予定です。すでに、制度の基本となる将来像を示しているものの、具体的な制度設計は今後、行う考えです。民主党の制度案を中心に、制度設計の課題と移行過程を考えてみました。

●最低保障年金

 ◇最低保障額は?

 現在の基礎年金の月額は満額で約六万六千円、民主党は最低保障額を月七万円、社民、国民新党は八万円としています。最低保障額がいくらになるのかは経済情勢などで変わってくるものの、現在の基礎年金の満額以上が支給されそうです。

 ◇財源は?

 最低保障年金の性格上、財源は税です。民主党は全額消費税との考えを示し、将来、年金目的税化する意向です。消費税や新税で目的化するのか、さらには国庫負担として一般財源から支出するのかが、課題です。一方で、生活保護などとの調整も必要です。また、現在、基礎年金に充当されている企業負担分をどのようにするのかも焦点です。

 ◇給付制限は?

 民主党は当初、年収六百万円超で減額、千二百万円超には支給しないとしていました。社民党、連合も高所得者の給付制限を示しています。給付制限の内容によって、財源規模も変わってくることになります。

●所得比例年金

 ◇保険料負担は?

 民主党案では、所得比例年金の保険料率は一律15%です。サラリーマンは労使折半の予定ですが、自営業者などは全額負担します。国民年金の保険料は定額で月額一万四千六百六十円(二〇〇九年度)です。15%の保険料を全額負担すると、月額九万七千七百円の収入を超えれば、保険料負担が重くなる計算です。同時に年金額も増えるため、この点をいかに説明するかが問われます。

 ◇所得把握は?

 自営業者などの所得把握は、最低保障年金を不正に受給しないためにも、また年金制度の公平という観点からも必要です。歳入庁設立で、所得把握をはかる方向です。

 ◇財政方式は?

 所得比例年金は、見かけ上、納めた保険料に応じて給付額が決まる拠出建てです。しかし、どのような財政方式になるのか、明確ではありません。基本的には現在と同じ世代間扶養に基づく賦課方式を採用。さらにスウェーデンのように一部、積み立て方式を導入するなどが現実的です。

●新制度移行には

 混乱のない制度移行を連合案などをもとに考えてみます。

 第一段階として会社員、公務員の制度を一元化。自民党政権時代もサラリーマンの年金一元化法案を提出していました。同時に、自営業者などの所得把握や年金記録などの管理のために歳入庁を創設。また、納税者番号などの導入も進めます。

 第二段階では、自営業者の所得比例年金を設けます。現在も上乗せとして国民年金基金があり、これらをもとに所得比例年金部分を創設、保険料を定額から定率に変更していくことが考えられます。最終段階で、全国民共通の所得比例年金と最低保障年金からなる新制度として発足します。

 制度変更には時間がかかるため制度設計を速やかに行い、内容と移行過程を十分に説明していく必要があります。

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