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【生活図鑑】

出産育児一時金の直接支払制度(No.284) 妊産婦の負担軽減 恒久化求める声も

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 出産時に妊産婦に支払われる出産育児一時金が10月から42万円に引き上げられました。公的医療保険から医療機関などに直接支払われるようになり、妊産婦が多額の費用を準備する必要はなくなりました。2011年3月末までの暫定的な少子化対策ですが、恒久化を求める声が上がっています。一方、資金繰りに窮する医療機関などには半年間の猶予期間が設けられています。

 妊娠・出産は病気ではないため、保険診療の対象外です。代わって妊産婦の金銭的負担を軽減するため、出産育児一時金が支払われます。公的医療保険(国民健康保険、健康保険組合など)の加入者なら誰でも支給を受けられます。

●出産の平均額を支給

 〇九年十月から、支給額が従来の三十八万円から四十二万円(産科医療補償制度に加入している施設で出産した場合)に引き上げられました。厚生労働省研究班の調査で、全国の病院・診療所における出産費用の平均は約四十二万円となっており、出産費用の全額が一時金でまかなわれるケースも増えました。

 支払い方法も変わりました。従来は妊産婦が出産した施設でいったん出産費用を全額支払った上で、加入する公的医療保険に一時金を請求し、後払いされる仕組みでした。妊産婦は出産費用を事前に用意する必要があり、負担の軽減が求められていました。

 一時金の「直接支払制度」は、妊産婦の希望があれば出産費用(四十二万円まで)が出産した施設から公的医療保険に直接請求されるため、妊産婦が費用を準備する必要がなくなりました。四十二万円を上回った場合は超過分を窓口で支払い、下回った場合は公的医療保険に差額を申請して受け取ります。

 加入する医療保険に独自の付加給付がある場合も申請して支給を受けます。妊産婦が従来通りの方法を希望すれば、それも可能です。

 同制度は医療機関などにとっても出産費用の未払いが防げるメリットがあります。しかし出産から一時金の振り込みまでに約二カ月を要するため、他の診療科の収入のない産科単独施設や助産所を中心に、空白期間の資金繰りに困窮する施設も出ています。

●半年間の猶予期間

 このため、国は〇九年度末までの半年間、猶予期間を設け、同制度の導入が難しい施設は従来通りの窓口請求を行うことを認めています。未対応の施設は窓口でその旨を妊産婦に伝えることになっており、制度の利用を考えている人は事前の確認が必要です。

 一方、支給額の引き上げと支払制度の変更は前政権による暫定措置です。すでに政府・与党は一時金の額を五十五万円に増額することなどを示しています。支払い方法が元に戻ることは考えづらいものの、制度の恒久化などが求められています。

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