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【生活図鑑】

有期という働き方(No.286) 働き方が同じでも正社員と待遇に格差

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 働く人の3人に1人は派遣やパートタイムなど非正規労働者です。非正規雇用の大半は期間が定められた有期契約です。不安定な雇用にもかかわらず、仕事の内容は正社員と変わらない人が半数近くもいます。昇進や賃金でも正社員と比べ格差があります。

 非正規で働く人は増加傾向にあり、二〇〇八年には千七百六十万人にものぼりました。〇九年は雇用調整が進展し、労働者数が減少したものの、非正規比率は30%を超えています。

 非正規の働き方でもっとも多いのはパートタイムです。このため、非正規というと労働時間が正社員に比べ短く、仕事量も少ないなどと思われがちです。

 しかし、厚生労働省の「有期労働契約に関する実態調査」によると、有期契約労働者の40%以上が正社員と同じ働き方をしているとみられます。

 正社員と同じ働き方をしていても、正社員の80%以上が昇進するのに対し、有期契約労働者は約20%しか昇進しません。また、賃金水準も約70%が正社員未満でした。

 このため、賃金水準やキャリアアップしないことへの不満が募り、「正社員にしてほしい」という希望も多くあります。

●雇用不安で生活不安

 事業主は、有期契約労働者を雇用する理由について「業務量の変動に対応するため」「業務量に応じて雇用調整するため」など、一時的なものであるとの答えが多くなっていました。その一方、正社員と同じ働き方が増えているため、有期労働者を雇用する半数以上の企業が「雇わないと事業が成り立たない」としています。

 しかし、昇進や賃金水準については正社員と格差を設けているうえ、正社員への転換制度がある企業も半数に達しませんでした。雇い止めについても「するつもりはない」というのは約13%にすぎません。

 有期契約労働者の一回の契約期間は平均で七・八月。五回程度の更新をし、平均三・二年勤めるという働き方です。

 また平均年齢は約四十歳で、労働者の41%は世帯主でした。年収は百万円超二百万円以下が31%で最も多く、次いで二百万円超三百万円以下の順でした。

 また、金融危機以降、派遣切りに代表される雇用調整は非正規労働者中心に行われました。一家を支える世帯主でありながら、不安定な有期契約では、生活も不安定になっているのではないかとの懸念が強くもたれています。

●均等待遇へ法制化を

 有期労働契約については、契約期間の上限は原則三年です。しかし勤続年数や契約回数については上限の定めがありません。このため、契約期間の平均に見られるように短期間の更新を繰り返す労働者が大半です。労組への加入率も低く、労働条件の改善も進んでいません。

 欧州連合(EU)などでは有期労働契約について、契約期間、更新の制限を設けているほか、正社員との均等待遇を定めています。有期契約労働について、わが国もEU並みの労働者保護に基づいた法制化などを求める声が強まっています。

 制作・亀岡秀人

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