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【生活図鑑】

相対的貧困率(No.287) 2007年は15.7% ひとり親世帯で深刻

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 政府は初めて相対的貧困率を発表しました。2007年の貧困率は15.7%と経済協力開発機構(OECD)の加盟国のうち、4番目に高い数字でした。特にひとり親世帯では2人に1人が相対的貧困とされています。経済格差の是正が求められます。

 相対的貧困率とは国民を所得順に並べ、その中央値の半分に満たない人の割合を指します。まず年間の世帯所得を世帯構成による差を調整して振り分けた「一人当たりの可処分所得」の順に国民を並べ、真ん中に来る人の所得を中央値とします。その半分の値が「貧困線」と呼ばれ、同線に達しない人の割合が相対的貧困率となります。

 子どもの貧困率は十七歳以下の子ども全体のうち、「中央値の半分に満たない十七歳以下の子ども」の割合を意味します。

●子どもの貧困率も上昇

 国内の相対的貧困率が公表されたのは初めてです。OECDは加盟国について定期的に公表していますが、自公政権下では正式な数値を発表していませんでした。今回、厚生労働省は国民生活基礎調査をもとに一九九八、二〇〇一、〇四、〇七の各年にさかのぼって数値を発表しました。

 一九九八年の14・6%から二〇〇一年に15・3%に上がり、〇四年に14・9%に下がったものの〇七年に再度上昇しました。同年は所得の中央値が二百二十八万円だったため、その半額の百十四万円に満たない人が相対的貧困に該当します。

 子どもの貧困率も〇四年の13・7%から〇七年は14・2%に悪化しました。ひとり親世帯で特に深刻で、54・3%と半数以上が当てはまりました。

 国際的に見ると、日本の相対的貧困率はOECD加盟国でメキシコ、トルコ、米国に次いで世界で高い方から四番目です。OECD平均は10・6%でした。低いのは「高福祉高負担」のヨーロッパ諸国に目立ちます。

●政策にどう生かすか

 相対的貧困率は、生活困窮者の割合と常に同義ではありません。高所得者が多く、経済格差の大きい国では所得の中央値が上がるため、貧困線の値も高くなります。従って相対的貧困率は、国民の経済格差を示す色合いの濃い指標と位置付けられます。

 貧困を示す指標には絶対的貧困率もあり、低所得や不健康、教育の欠如など「健康で文化的な最低限度の生活」を営めない人の割合を示します。ただし国や機関によって基準が違います。

 今回の公表は一歩前進です。相対的貧困率だけが指標ではないものの、格差や貧困問題の政策立案、実行のうえで有効性を検証する手段になるからです。公表の際、長妻昭厚労相は「数値を改善する政策を打ち出したい」と述べました。数値を踏まえた迅速な対応が望まれます。

 制作・杉戸祐子

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