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【生活図鑑】

年金記録問題を整理する(No.289) 新たな救済策 照合も本格派

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 年金の記録訂正を行う場合、一定の証拠がなければ、なかなか認められません。第三者委員会での申し立てでは、保険料支払いの領収書や当時の家計簿、同僚の証言などが証拠として必要となります。しかし、年月が経過したなか証拠や証言を得るのは難しく、訂正が認められたのは約40%にとどまっています。

●証拠なしでも訂正

 このため、被害者である本人に証拠集めなどの責任を負わせるだけでは解決できないとして、新救済策を打ち出しました。第三者委員会などで認められたケースなどをもとに証拠がなくても原則、訂正を認める方針です。

 具体的には、記録自体がない消えた年金では、国民年金加入期間の空白が一回だけで一年以内の場合、その前後は国民年金保険料を納付済みでほかに未納期間がなければ無条件で訂正を認めます。また空白が一年を超えても二年以内なら、これらの条件に加え、配偶者がその期間に保険料を納めていれば認めます。

 厚生年金の記録改ざん問題では、社会保険庁が試算した改ざんの可能性が高い六万九千件のうち従業員について、知らないうちに記録を書き換えられた場合、本人の申し立てだけで、原則、記録訂正を認める方針です。

 約八億五千万件(重複を除くと五億四千万件)ある古い紙台帳とコンピューター記録との照合作業に二〇一〇年から集中的に着手します。

 社保庁がサンプル調査した結果、国民年金の場合、市町村の保管する紙台帳では0・3%(単純計算で約四十二万件)が不一致でした。年金が増えた受給者の記録は五件あり、平均年十万四千円が増額されました。長妻昭厚生労働相によると、「二十八万件で増額される可能性がある」としています。

 また、未納や免除期間などがある国民年金の特殊台帳の調査では、同様に二十万七千百八十四件が一致せず、年金の増額は平均一万四千八百五十二円でした。

 厚生年金の調査では、単純計算で五百六十万件のミスがあることが〇八年に分かっています。さらに受給中の訂正サンプルから、約百五十六万件で、平均一万七千三十五円の年金が増額されることになります。

●1千万件解明困難?

 宙に浮いた五千万件の年金記録の統合作業では、〇九年九月現在で、未統合の記録のうち、統合済みは千二百五十七万件。しかし、千二十八万件については解明が難しいとされ、課題が残っています。

 また、解明した基礎年金番号を統合する際もミスが起きています。

 年金受給者や加入者が年金記録を確認できる「年金通帳」についても、一〇年度から実施する予定でした。しかし、財政が厳しいなか、当面、記録を確認できる方法にとどめ、将来的に通帳交付を考えていく方針です。

 制作・亀岡秀人

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