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【生活図鑑】

進む高齢化と社会保障(No.290) 延びる寿命 少子化対策の拡充を

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 65歳以上の割合を示す「高齢化率」が西欧諸国に比べて急激に上昇しています。推計では2050年に国民の4割近くが高齢者になる見通しです。あらためて少子化対策の必要性が浮かびます。

 日本人の寿命は年々延び続けています。二〇〇八年は男性がおよそ七十九歳、女性が八十六歳となりました。総人口のうち、六十五歳以上の割合を示す「高齢化率」は22・1%となりました。国民の四・五人に一人が高齢者に当たります。

 高齢化率の上昇に伴って年金や医療、介護などの支出が増加するため、社会保障給付費も増え続けています。〇七年度には九十一兆円を超え、高齢者関係がその約七割を占めました。

●50年の高齢化率38%

 国際連合によると、日本は四十年後の五〇年に高齢化率が37・8%に達する見通しです。これは国民の二・六人に一人が高齢者であることを意味します。一九五〇年の高齢化率はわずか4・9%でした。日本は百年間で例のない急激な上昇をすることになります。

 長寿は尊いことです。ただ、高齢化社会を支えるシステムが十分でないまま高齢化率が上昇を続ければ、社会保障制度は立ちゆかなくなります。医療技術の進歩などで高齢化の流れは今後も続くと考えられるため、有効な施策の一つは社会の支え手を確保する少子化対策となります。

 日本でも二〇〇五年に合計特殊出生率が過去最低の一・二六に落ち込んで以来、少子化対策の必要性が叫ばれてきました。しかし、十分に行われてきたとはいえません。

 例えば、〇七年度の日本の社会保障給付費のうち、児童・家族関係(少子化対策、育児支援など)に充当されているのはわずか3・9%です。諸外国と、家族分野(同)への社会支出の対国内総生産(GDP)比を比較しても、スウェーデンや英国、フランスなどが3%を上回るのに対し、日本は0・81%にとどまっています。

●西欧諸国は大規模策

 西欧諸国の家族政策を見ると、いずれも大規模な少子化対策を実施し、一九八〇年代半ば以降の高齢化率の上昇はゆるやかになっています。スウェーデンは女性の就業率が高い国ですが、保育環境の整備が進み、育児休業や時間短縮勤務制度も充実させています。英国もワークライフバランスを重視しています。フランスは子どもが二人以上いる家庭に所得にかかわりなく手当を支給し、子どもが多いほど税負担も軽減されています。

 政府は二〇一〇年度から中学生以下を対象に「子ども手当」を支給するなど、新たな施策を打ち出しました。長命をことほぎ、十分な社会保障を行わなければなりません。そのためにも効果ある少子化対策が求められています。

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