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【生活図鑑】

カーシェアリング(No.296) 節約志向・環境が利用後押し

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 カーシェアリングが話題になっています。自動車を保有するのに比べ、節約になるうえ、環境にも貢献するといわれています。2010年1月の車両台数は前年比2.2倍にも増えました。そのメリット、課題は?

 カーシェアリングは「一台の車を複数の人が共同で時間を分け合って利用する」という自動車の新しい利用形態です。一九八〇年代後半にスイスで始まったとされます。

 環境、エネルギー問題などを背景として、現在ではヨーロッパを中心に世界十八カ国、六百都市で運営され、その利用者は約六十万人にのぼっています。

 一方、日本での歴史はまだ浅く、事業としては二〇〇二年四月からです。当初は利用が伸び悩んだものの、節約志向や車に対する意識の変化から、都市部を中心に増加。一〇年一月には利用者数が前年比の約二・五倍を記録しました。

 カーシェアリングは、会員登録し、貸し出し手続きは無人システムにより、二十四時間利用可能というのが一般的です。同じく車を借りるレンタカーが六時間単位での利用が多いのに対し、カーシェアリングでは十五分、三十分単位など、短時間利用もできます。

 急増の背景は(1)週末に利用する程度なら、車を保有するのに比べ大幅に費用を節約できる(2)環境問題にも貢献する−などです。

●月3万円の差に

 カーシェアリングにかかる費用は、会員登録時の入会金とICカード発行手数料、月会費、利用料金です。利用料金も基本的に時間と距離で計算されます。具体的には三十分当たり数百円、一キロメートル当たり数十円などです。保険や燃料代も含まれています。

 一三〇〇ccクラス小型車を週二回(一時間半、距離三十キロ)利用したと仮定して、マイカー保有(六年間)とカーシェアリングを比較してみます。

 平均的な保有期間である六年間にかかる費用は、税金、保険、駐車場代など約三百五十九万一千百円、月当たり四万九千八百円になります。カーシェアリングの場合は月当たり一万八千四十円になります。月三万円も節約できる計算です。

 また、調査によれば、カーシェアリングの利用者は、自動車走行距離が約80%減、マイカー保有率も大幅に減ったといいます。公共交通などを利用し、家計にも環境にも負荷をかけなくなるようです。

●利便性に課題も

 急増したとはいえ、欧米に比べればカーシェアリングの利用は進んでいません。車種が少ない、自宅の近くにない、利用したいときに利用できないなど、問題点も少なくありません。

 カーシェアリングが今後、定着していくには、車の「所有」から「利用」へといった意識の変化が一層必要です。さらには、利便性の向上も課題です。

 デザイン・藤田悦子

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