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【生活図鑑】

保険法開始でどう変わる?(No.304) 消費者保護を最優先

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 生命保険契約や損害保険契約の基本的なルールを定めた「保険法」が4月からスタートしました。解約や支払期限の明確化など消費者保護が強化されました。具体的にどのように変わったのでしょうか。

 民間の保険には、生命保険や損害保険があります。加入が任意とはいえ、生命保険の世帯加入率は約九割に達し、広く普及しています。

 こうした保険の契約に関する基本的なルールを定めた保険法が、四月から施行されました。

●保険料を返還

 保険に加入すると、保険料を保険会社に払い込みます。保険料を年一回などで払い込む契約では、保険を途中で解約すると、保険会社は次の払込時までの保険料を返還しなくてよいことになっていました。

 例えば年間の保険料を払って二カ月後に解約した場合、残りの十カ月分は返還されない決まりでした。四月からは、残り十カ月分の保険料は返還されます。ただし、保険料を返還しなくてよかった三月までと比べ、保険料の割引率が低くなる(保険料が高くなる)ことも考えられます。

●解約請求のルール

 保険の解約については、ほかにも次のようなルールがあります。

 例えば、夫が妻に保険を掛けているような場合、これまでは離婚などで夫婦関係が途切れても、妻の側からは保険を終わらせられませんでした。離婚後も、他人に高額の保険を掛けられている状態が続きます。

 このため、妻が夫に保険を解約するよう申し出た場合、夫は解約しなければならないように変わりました。

●解約を防止−介入権

 国などが保険を解約しようとしたとき、防止できる制度が新たに定められました。例えば、保険に加入して保険料を払っている人(契約者)に税金の滞納があると、国などは保険を差し押さえることができます。国などが保険を解約して払戻金(解約返戻金)を受け取るわけです。

 保険は、いざというときに遺族などを守る大切な財産です。そこで、四月からは保険金の受取人が保険料を支払っている契約者の代わりに払戻金相当を国に支払い、解約を防ぐことができるようになりました。介入権といわれるもので、国などが保険を差し押さえようとしてから一カ月以内なら、この制度を利用できます。

●支払期限を明記

 保険金などの受け取りについてのルールです。

 保険金などを受取人が請求すると、生命保険なら通常五日以内などと保険会社が定めた期限までに支払われます。ところが、事故かどうかなど事実確認によって支払時期が遅れる場合、支払いの期限が不明確でした。請求してもなかなか受け取れないのでは、受取人も困ります。保険法では、場合ごとに支払期限を明示するよう定めました。

●遺言で受取人変更

 遺言で受取人を変更できる仕組みが制度化されました。受取人の変更は従来、保険会社で手続きをする必要がありました。今後は、家族に知られずに受取人を変更したいといった場合に、遺言が活用できることになったわけです。

     ◇

 このほか、告知のルールも明確化されました。従来、保険の契約者側に重要な事柄を告げる義務がありました。これが、保険会社などが示した重要な質問に答えればよいことになりました。

 介入権や支払期限のルールは、今年の三月以前に結ばれた契約にもさかのぼって適用されます。保険会社から書面が届いた場合、よく確認しましょう。

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