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【生活図鑑】

診療報酬増額・勤務医の負担軽減(No.305) 救急、産科、小児科など医療再建へ

 医療機関に支払う診療報酬が10年ぶりに増額されました。報酬の増額は患者や医療保険機関の負担増も意味します。しかし、救急、産科、小児科、外科などの医療再建が急務であり、入院治療などの報酬を手厚くし、病院勤務医の待遇改善などを進めるのが狙いです。

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 診療報酬を引き上げたのは、病院勤務医の負担軽減だけでなく待遇改善にもつなげる目的です。財源も厳しいなか、とくに負担が重く、医師不足とされる救急、産科、小児科、外科などの加算を中心に報酬を引き上げました。

●救急対応で加算

 救急患者のたらい回しが問題になるなど救急医療の立て直しが求められています。

 このため、救急医療の体制が充実している救命救急センターの評価を上げ、救急救命で入院した場合の加算を一万円へ倍増。大半のセンターが対象になります。このほか、手厚い看護配置で高度な急性期医療を提供する病床の評価を上げ、「ハイケアユニット入院医療管理料」を四万五千円へ増額しました。

 妊産婦の救急搬送も問題になりました。救急搬送された妊産婦を受け入れ、入院した場合、初日の入院料の加算は五万円から七万円に引き上げられました。切迫早産に伴う帝王切開などや合併症などリスクの高いお産を受け入れた場合の加算も引き上げました。

 小児医療では、急迫した小児救急患者を受け入れた場合の加算を新設。専任の常勤医師が勤務しているなどを条件に、地域の小規模な新生児集中治療室(NICU)でも管理料を認めることにしました。

 小児以外でも救急医療体制を充実させるため、夜間、休日に救急患者を受け入れる地域の病院の診療料を新設しました。

●難しい手術を評価

 負担が大きい外科の医師数が減少しています。このため、約千八百項目の手術のうち、動脈瘤(りゅう)切除術など主として病院で行われる難易度の高い手術について30%から50%、診療報酬を引き上げました。

 また、三歳以上六歳未満の小児の手術についても乳幼児加算の対象になりました。

 チーム医療を評価し、勤務医の負担軽減と処遇改善につなげたい考えです。医師、看護師などからなる栄養サポートチームや、四十八時間以上継続して人工呼吸器を装着している患者をチームで管理している場合などに加算できるようにしました。

 また、診断書の作成や診療記録の記載などを医師に代わって行う医療クラークの評価を引き上げました。

 一方、勤務医の勤務時間の把握や勤務状況の改善などを行う責任者を置くことや、役割分担を推進する委員会の設置などを医療機関側に求めています。

●がん、認知症にも重点

 がん治療、認知症についても重点課題として報酬を引き上げました。また、往診料についても六千五百円から七千二百円へ増額されました。

 一方で、眼科の視力検査は五十円下がって、六百九十円に。皮膚科でのいぼを焼き切るなどの処置は百円下がりました。

 今回の改正が、勤務医の負担軽減、処遇改善に結びつき、安心できる医療体制になるのか? 患者負担も上がるだけに、気になるところです。

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