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【生活図鑑】

住宅用火災警報器(No.306) 完全義務化まで1年 普及まだ5割

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 2011年6月の住宅用火災警報器の完全義務化まで1年余りとなりました。すでに愛知、三重県などに続き、東京都でも4月から義務化されました。しかし、09年12月時点で義務化された県の普及率を比べると、最も高い宮城県が74・7%なのに対し、最も低い奈良県は48・3%でした。約1.5倍の格差があるなど、警報器の普及率は伸び悩んでいます。

 住宅火災による死者は〇三年から連続して千人を超え、その約六割が六十五歳以上の高齢者です。多くは「逃げ遅れ」でした。

 〇四年六月の消防法改正で、住宅に火災警報器の設置が義務づけられました。新築住宅はすでに〇六年六月から義務化。既存住宅についても各市町村条例により、一一年六月までに設置が義務化されます。

●罰則なく重い費用負担

 〇九年十二月時点で警報器の普及率は52%でした。先行して義務化した十四県の普及率を見ると、宮城、石川県が70%以上なのに対し、奈良、群馬、栃木県は40%台。普及率の格差は約一・五倍にも達しています。

 とくに群馬、栃木県は出火率(人口一万人あたりの出火件数)で全国平均を上回っており、取り組みの遅れが目立ちます。

 総務省消防庁は普及の遅れや格差の理由を明確に分析していないものの(1)罰則がない(2)費用負担が重い(3)設置場所がわからない−などが挙げられています。

 また、山間部や高齢世帯が多い地域も普及が進んでいないとの見方もあります。このため、市区町村によっては高齢世帯を中心に助成制度を設けているところもあります。

 一方、東京都は義務化前のデータでも全国五位の普及率でした。もともと新築マンションなど、警報器設置済み住宅が多いためとみられています。

 米国では一九七〇年代後半から義務化し、普及率が90%を超えた九〇年代半ばには、死者数が半減したといいます。今後、いかに普及させていくかが問われています。

●寝室への設置基本

 住宅用火災警報器の設置および維持の基準は各市町村条例で定められています。寝室への設置を基本とし、寝室が二階以上にある場合には、その階の階段にも設置しなければなりません。台所など前記以外の場所への設置を義務づけられている場合もあります。

 自治体によって設置機器の基準などが違うケースもあり、周知をさらに行う必要がありそうです。

●訪問販売でトラブル

 住宅用火災警報器の設置義務化を契機に、訪問販売業者によるトラブルが多発しています。国民生活センターなどでは、悪質な訪問販売への注意を促しています。

 消防署員や自治体の職員が、住宅用火災警報器のあっせんや販売を行うことや、特定の業者に販売を委託することもありません。これらの悪質な訪問販売業者には注意してください。

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