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【生活図鑑】

労働基準法の改正(No.313) 残業60時間超過分は割増率が倍増

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 長時間労働を是正するため、時間外労働(残業)の割増賃金が引き上げられました。2010年4月の改正労働基準法の施行で、これまで25%以上だった割増賃金が、一カ月60時間を超える残業については50%以上の義務付けに変わりました。

 労働基準法では、休憩時間を除いて原則一日八時間、週四十時間が「法定労働時間」です。法定労働時間を超える労働は、法律上の残業(法定時間外労働)になります。また、残業については厚生労働相が「限度時間」を定めています。

 しかし、繁忙期など残業をしなければ仕事が処理できないこともあります。このため、労使合意など所定の手続きを行うと、労働者に残業させることができます。ただし残業には割増賃金を支払う義務が生じます。労基法の改正で、割増率などが変更になりました。

●45時間超は努力義務

 従来、残業の割増率は、時間にかかわらず通常の賃金の「25%以上」でした。通常の賃金とは決められた就業時間内で支払われる賃金のことです。また、夜の十時以降におよぶ残業なら深夜労働として「50%以上」を支払う義務があります。

 改正では、まず限度時間を超える残業には、「25%を超える率」で割増賃金を支払う努力義務が課されました。あくまでも努力義務なので、どこまで実施されるかが課題です。

 さらに、一カ月に六十時間を超える残業の場合、割増率が25%増しになり「50%以上」にすることが義務付けられました。夜十時以降の深夜労働の場合、「75%以上」になります。

 割増率が倍増になったものの、残業代が倍増するわけではありません。あくまでも六十時間を超える残業についてのみ50%以上になります。

 例えば図のように、労使協定で一カ月四十五時間を超えた場合の割増率を30%とした会社で、一カ月八十時間の残業をした場合を考えてみます。十六日までは限度時間の四十五時間内なので割増率は従来と同じ25%以上で、ここでは25%です。限度時間を超えた十七日以降は努力義務の25%超になり、労使協定で30%になっています。さらに二十五日以降は六十時間を超えたため、割増率50%以上の義務が課され、50%となっています。

●代替休暇制度も

 一カ月六十時間を超える残業の場合、割増賃金の支払いに代えて、労使合意により換算率を決め「代替休暇」を設けることもできます。図の例なら、割増率の50%から努力義務の30%を差し引いた20%が換算率になります。

 実際に代替休暇を利用するかどうかは労働者の自由です。取得しなかった場合は割増賃金が支払われます。

 また、改正では半日、一日単位でしか取れなかった有給休暇が、労使合意により、年五日分の範囲内で、時間単位で取得できます。

 一定の中小企業の場合、割増賃金のアップなどは当面猶予されます。

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