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【生活図鑑】

年金 資格喪失日に落とし穴(No.314) 月末日以外の退職者は気をつけて

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 年金など社会保険の事務手続きは意外と知らないことばかりです。例えば退職した月は厚生年金の加入なのか?資格喪失の日付によっては知らない間に年金の空白期間まで生じます。

 年金記録問題が収まらないなか、Aさんはねんきん特別便で空白期間があることを知りました。空白は長年、勤めていた会社を退職した月でした。「保険料は確かに納めてきたのにおかしい」と思ったAさんは年金事務所に問い合わせました。回答は「資格喪失月は加入月数に計上されません」。

 一体、これはどういうことでしょう?

 Aさんの場合、退職したのは八月。九月には国民年金加入の届け出をしています。当然、八月までは厚生年金、九月からは国民年金加入で、空白などないと思っていました。

●健康保険も同様

 ところが年金など社会保険の資格喪失には独特の決まりがあります。その月が厚生年金なのか国民年金の加入の月になるかは、月の末日の状況で決まります。八月なら三十一日の状況です。

 また、資格を喪失する時は、厚生年金や共済組合などの場合、退職した日の翌日を資格喪失日とします。

 Aさんは八月末に退職したと考えていました。ところが年金記録では厚生年金の資格喪失日は三十日。記録に基づくと二十九日に退職、翌三十日に厚生年金の資格を喪失しています。このため、三十一日時点では厚生年金の加入ではなく、国民年金に届けを出し、国民年金に加入する必要がありました。

 結局、八月は空白、未納期間になってしまったのです。これは健康保険にも当てはまります。

 会社員の退職日が末日なのか、そうでないかで社会保険の加入が違ってくるのです。

 なぜ、末日退職ではなかったのか? さまざまな理由が考えられます。

 月末退職を、土日など休日の関係で前日に届け出た、実際に出社した最終日を退職日としてしまった−などが考えられます。

 また、厚生年金の場合、保険料は労使折半です。このため、月内に資格を喪失すると、会社としてはその月の保険料を負担せずに済みます。

 社会保険料は翌月分の給料から天引きするため、末日退職の場合、退職月に社会保険料を二カ月分天引きする必要が出てきます。このため、末日退職にしなかったなどの指摘もあります。

 いずれにしても退職日の処理や保険料を納付したかなど、会社に問い合わせる必要があります。

●会社のミスも

 一方、年金記録問題のなかで、会社が「退職日=資格喪失日」として届けていた例があることも分かってきました。この場合、末日退職でも本来の翌月一日ではなく、末日に資格喪失するため、退職月は厚生年金の加入月になりません。

 明らかに会社側のミスです。訂正は所属した会社が間違ったという証明などが必要です。

 退職月の記録がどうなっているのか? 年金記録で、資格喪失日が一日でない場合、末日退職ではありません。記録の確認が必要です。

 制作・亀岡秀人

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