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【生活図鑑】

ねんきん定期便(No.316) 年金見込み額が記載されない人も。なぜ?

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 年金記録問題を受け、誕生月に「ねんきん定期便」が送られています。定期便の内容は、年金の加入期間と年金の見込み額です。ところが、年金見込み額が記されていない人もいます。これは一体、どういうことでしょうか?

 ねんきん定期便が送られてきたけれど、見込み額が記載されていなかった−こういった質問が多数寄せられました。

 見込み額の様式は大きく二通りあります。五十歳以上は「老齢年金の見込み額」、五十歳未満は「これまでの加入実績に応じた年金額」です。

 見込み額が出ていない例の多くは、年金加入期間の月数が三百カ月未満でした。記載されていない場合の注意書きには、パンフレットを参照のこととあります。

 説明には、五十歳以上の場合、老齢年金見込み額が記載されていない理由として、「加入期間が足りない」などが挙げられていました。

 年金の受給資格を得るための加入期間は、原則二十五年です。正確には三百カ月です。三百カ月に満たないため「なんだ、加入期間が足りないんだ」と考えがちです。

 実は、ここに落とし穴があります。

 通常、三百カ月を超えるのは四十代後半からです。となると四十代前半までの人は、すべて見込み額が記入されていないことになります。これでは、見込み額を出す意味がありません。

 日本年金機構も「加入月数が三百カ月未満の人でも通常は、見込み額が記載されています」といいいます。

●記録漏れの可能性

 具体的に調べてみると、Aさんの場合、加入月数は二百七十三カ月で見込み額は記載なし。Aさんは、以前、公務員として勤めた期間があるとのことでした。公務員や教員などの共済記録は、もともと別管理であるため、記録漏れになっている可能性があります。

 年金の記録照会をしたところ、やはり共済加入期間の記録が統合されていませんでした。このため、定期便で記載されなかったのです。

 Bさんの加入月数は二百八十六カ月でした。しかも記録に間違いはないといいます。見込み額がないのは、加入期間が足りないためと思っていました。

 しかしBさんは、現在の基礎年金制度の前の旧国民年金の時代から専業主婦だったとのことです。旧国年時代は任意加入で、Bさんは加入していませんでした。しかし、専業主婦で旧国年に任意加入していなかった場合、資格期間に算入されるものの年金額には反映されない「合算対象期間(カラ期間)」になります。このため、見込み額がなかったのです。

●女性は特に注意を

 年金見込み額が記載されていないケースは女性に多く見られます。女性は、結婚などで姓が変わるほか、出産退職、その後、再就職などで年金加入歴が複雑になる場合があります。女性以外でも転職を繰り返している人も注意が必要です。

 システム上、共済やカラ期間のある場合、見込み額は記載されません。しかし、せっかく送られてくる定期便です。日本年金機構も「見込み額が記載されていない場合は、専用ダイヤルや年金事務所で記録の照会などを行ってください」と呼びかけています。

 制作・亀岡秀人

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