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【生活図鑑】

進む晩婚化(No.317) 非正規雇用の男性増加で加速

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 非正規雇用に就く若者の増加が晩婚化・少子化に大きな影響を与えています。少子化の原因として、女性の社会進出や仕事と家庭の両立支援の遅れが指摘されてきました。さらに、非正規雇用の増加で不安定な生活を強いられる若年層も増え、未婚率も上昇しています。

 少子化の原因は従来、女性の側から指摘されてきました。

 日本の平均初婚年齢を見ると、二〇〇九年には男性三〇・四歳、女性二八・六歳でした。なかでも女性の晩婚化が進んでいます。

 女性の初婚年齢は一九七七年に二十五歳でした。二十六歳に上昇したのは九二年、一歳上昇するのに十五年かかっていました。

 ところが、二十七歳に上がったのは二〇〇〇年。一歳上昇するまで八年でした。さらに、〇五年に二十八歳になるまで、わずか五年でした。

 この間、男性の平均初婚年齢との差も、二・四歳が一・八歳にまで縮小しています。

●両立支援の遅れに加え

 背景には、女性の高学歴化と仕事内容の高度化、そして仕事と家庭の両立支援の遅れが指摘されてきました。女性の高学歴化が進み、男女間の給与所得格差も以前に比べ、縮小。結婚や出産を機に離職すると、生活水準の低下を招くとの考えも増えています。

 女性が結婚・出産しても継続して就業することが困難な社会では、結婚・出産をリスクとしてとらえ、結果として晩婚化や非婚化が進んできたのです。

 ところが、近年、こうした女性側の要因とは違った、男性側の新たな要因が指摘されています。

 雇用や賃金が不安定な非正規雇用に就く若者の増加です。特に家計の柱となる男性の雇用環境の変化が、晩婚化・少子化にも大きな影響を与え始めています。

●雇用形態で格差

 厚生労働省が少子化対策の一環として実施している「二十一世紀成年者縦断調査」によれば、〇二年の調査時に独身だった男性のうち、その後六年間に結婚した割合は、正規雇用では32・2%だったのに対し、非正規雇用では17・2%にとどまっています。

 同じく、所得額階級別に過去四年間の結婚の状況を見てみると、年収百万円未満や百万−二百万円未満の男性では結婚した割合が、それぞれ8・9%、13・3%と、年収四百万円以上の層のおよそ半分です。

 さらに、結婚後に子供をもった(出生)割合をみると、正規雇用では12・8%であるのに対し、非正規雇用では4・8%でした。出生割合は正規雇用と非正規雇用では約二・六倍もの開きが生じています。

 このように、非正規雇用で働く若者の増加がさらなる晩婚化・少子化を招いています。早急な若者の雇用対策が求められます。

  監修・長井毅高千穂大准教授

  デザイン・藤田悦子

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