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【生活図鑑】

新たな高齢者医療制度案(No.324) 加入する制度 年齢で分けず

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 後期高齢者医療制度に代わる新たな医療制度の中間報告がまとまりました。年齢にかかわらず、サラリーマン(被用者)とその扶養される人は健康保険組合など被用者保険に加入し、それ以外の人は国民健康保険に加入します。何が変わるのでしょう?

 後期高齢者医療制度は、七十五歳以上が加入する独立した制度です。すべての高齢者が保険料を負担し、国、現役世代が財政を支援するしくみです。しかし、負担に限界がある高齢者だけを区分した制度に批判が続出。サラリーマンの家族に扶養されていた高齢者も新たに保険料負担が発生したほか、保険料の軽減などの判定でも混乱しました。このため、新たな医療制度にする計画です。

●国保の財政広域化

 七十五歳以上の高齢者は約千四百万人。このうち、サラリーマン(被用者)として働いている約三十万人と、扶養されている人(被扶養者)約百七十万人の計二百万人は、健康保険組合、協会けんぽなど被用者保険に加入します。それ以外の約千二百万人は国民健康保険に加入します。

 被用者保険に移る高齢者のうち、被扶養者(例えば、年金収入のみなら百八十万円未満)の保険料負担はなくなります。また、サラリーマンの保険料も、事業主負担があるため、大半が軽くなるとみられます。健康保険組合などでは独自の給付もあり、これらも受けられます。

 国保の場合、世帯主がまとめて保険料を納付します。国保に移った高齢者の保険料がどうなるかは、国保のあり方とも関係します。案では、当初、高齢者(七十五歳ないし六十五歳以上)の財政は都道府県単位で調整するとしています。

 後期高齢者医療制度と同様の考えで、国保に移る七十五歳以上の保険料はほぼ変わらないとみられています。また、同じ県内で所得が同じなら同一保険料になります。

 国保の六十五歳から七十四歳の保険料は、財政調整するなら七十五歳以上と同水準にする案があります。六十五歳から七十四歳全体の保険料は〇・一兆〜〇・二兆円減少します。しかし、現在は市区町村ごとに保険料が違うため、人によってどう変わるか、調査の必要がありそうです。

 財政調整がない場合、単純に考えれば保険料負担は上がります。しかし、厚生労働省は現在と同水準にする考えです。

 また、七十歳から七十四歳の窓口負担は本来二割ですが、暫定的に一割です。これがどうなるかも焦点です。

 後期高齢者医療制度では、所得による保険料の軽減措置があり、これを続けるのかも課題です。

 現行制度では高齢者と、同居する現役世代の家族の医療制度が違うため、限度額以上の医療費を支払った場合に還付などが行われる高額療養費や保険料軽減措置は別々に判定しています。

 これが、例えば同じ国保世帯なら一世帯として判断され、負担が軽減される場合があります。

●現役世代負担増も

 国保へ高齢者の大半が加入するため、国保への財政支援の仕組みがどうなるのかも焦点です。とくに、六十四歳以下の現役世代については、国保、被用者保険を問わず、公費がこれまで以上に投入されるなどがなければ、負担は重くなります。被用者保険で平均以上の収入のある人は、保険料負担が増えそうです。

  制作・亀岡秀人

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