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【生活図鑑】

高齢者年金記録(No.327) 死亡届け漏れ 不正受給も

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 所在が不明な高齢者が問題になっています。年金を不正受給していたケースが相次いで見つかり、政府も高齢者の年金受給状況などの確認と対策に乗り出しました。100歳以上の基礎年金番号は人口の2倍以上あり、85歳以上でも17%も多くある状況です。一方、2010年秋からコンピューター上の年金記録と、原本の紙台帳との全件照合が始まります。高齢者と記録問題はどのようになっているのでしょうか?

 厚生労働省が行った八十五歳以上の年金受給者のサンプル調査によると、健在が確認できないで年金を受給する「不正受給」の人数が推計で約八百人にのぼるとされています。

 推計は現況届を提出している八十五歳以上の人からサンプル調査しました。現況届は、毎年、生存などを確認し年金支給のために送られるものです。〇六年十二月からは、受給者の情報と住民基本台帳ネットワークの情報が一致した場合は、住基ネットで年六回確認しています。

 しかし、住基ネットと情報が一致しなかった人もいます。こうした人には、現在も、現況届が誕生月に年一回送られています。

 日本年金機構によると、高齢者施設などに入所している場合、住民票の住所と居所が異なり、現況届を施設などに送って確認しているとしています。

 調査によると、年金受給者で現況届の対象者は現在、約二十三万三千人、うち八十五歳以上は推計で約二万七千人でした。

 さらに、日本年金機構の年金事務所職員が直接訪問。七百七十人のうち、健在が確認できず年金を受給していたのは、死亡している一人と行方不明の二十二人でした。不正な受給割合は約3%。現況届で確認する八十五歳以上全体に置き換えると約八百人になります。

 ただ、問題もあります。住基ネットでも、本人が死亡しているのに届け出られていないものもあるとされ、不正受給の可能性もあります。

●100歳以上の番号2.1倍

 年金受給のもとになる基礎年金番号の状況はどうなっているのでしょうか?

 人口推計と基礎年金番号を比較すると、百歳以上の人口は四万八千人に対し、基礎年金番号の数は十万三千件。人口の二・一倍も年金番号がありました。八十五歳以上でみても、一・一七倍になります。

 理由として、死亡届け漏れのほか、受給資格に達しなかった無年金者の番号などがあるためではないか、としています。

 日本年金機構では基礎年金番号と住基ネットとの照合を進め、死亡届け漏れなどを除いていく方針です。

●記録照合の状況公表を

 年金記録問題でも一〇年秋から、コンピューター記録と原本の紙台帳の照合が始まります。

 当初、紙台帳の記録は八億五千万件とされていましたが、新たに存在が確認された台帳などもあり、九億五千万件あります。

 このうち、全件照合された国民年金特殊台帳などを除くと、七億二千万件が照合対象になります。うち六億件はコンピューター記録につながるとされています。それ以外は判読不能や年金記録と関連がないものとされ、照合が難しいとみられています。

 特殊台帳では、経費よりも年金額が増額となる効果が高かったとされています。しかし、紙台帳の照合の費用対効果を疑問視する声もあります。

 年金記録の解明は、国が約束、民主党政権も推進しています。途中段階を含め紙台帳の照合状況の公表が欠かせません。

 制作・亀岡秀人

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