東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 生活図鑑 > 生活図鑑シリーズ・バックナンバー > 2010年の記事一覧 > 記事

ここから本文

【生活図鑑】

特養待機者(No.333) 42万人それとも9万人?

写真

 特別養護老人ホームの待機者は一体、どれくらいなのでしょうか? 厚生労働省が2009年12月に入所申込者数をまとめたところ約42万1000人でした。一般にはこれが待機者数とされてきました。一方、厚労省は介護の必要度などを考慮した待機者割合を10年9月に調査。入所申込者の約22.5%が入所基準に合った待機者だったとしています。単純に計算すれば約9万5000人になります。待機者数は介護の施設計画にも影響します。真の待機者数は?

 特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)の入所定員は〇八年で四十二万二千七百三人でした。一方、特養への入所申込者数は厚労省によると四十二万一千二百五十九人もありました。申込者数は都道府県が調査した〇八年四月以降の入所申し込み状況から、厚労省が〇九年十二月にまとめたものです。

 すでに定員を満たし、そのうえで申込者であふれる特養の待機者問題は以前から指摘されていました。〇六年の待機者調査では約三十八万五千人でした。しかし、一人で複数施設の申し込みを行っていた重複や、要介護1に満たない人なども含まれていました。今回はこうした人を除外し、正確性が上がりました。

●在宅がほぼ半数

 申込者のうち在宅者は47・2%。都道府県別では東京が四万三千七百四十六人と最も多く、佐賀が千三百十七人で最も少ない結果でした。

 また、申込者数がすでにある定員数をどれくらい上回っているのかを知るため、申込者数を定員数で除した結果を見ると、三重県の230%など200%を超す県もありました。ただ、佐賀など七県が在宅のみの人数を集計しているなど、一部の府県での集計方法が異なり、都道府県間の単純な比較はできないとしています。

 一般にはこの入所申込者数が待機者数と考えられてきました。政府も介護施設の緊急整備が必要としていました。

 厚労省は、入所申込者数はあくまでも申込数で、入所が必要な待機者数ではないと指摘。一〇年九月に、全国十五施設を対象に特養の入所基準に基づいた待機者割合を調査しました。

●入所基準を精査

 入所基準とは、要介護度がどの程度なのかなど「介護の必要の程度」、単身世帯か同居家族がいるのか、同居でも高齢者のみの世帯かなど「家族の状況」、さらには「認知症の状況」「虐待のケース」、介護の居宅サービスの利用状況などで判断されます。

 この基準によると、申込者のうち平均で22・5%が当てはまる結果でした。単純に計算すると先の入所申込者数の四十二万一千人のうち、待機者とされるのは九万五千人になります。

 調査施設数が少なく、入所申込者に占める待機者割合も施設により0・8%から76・1%とばらついていました。このため、一〇年度中に四百から五百施設に増やして待機者の実態調査を行うとしています。

●真の待機者数は?

 待機者数は、介護施設の整備計画にも大きく影響します。

 待機者とは何か? 入所を希望する人から見れば、入所申込者が待機者になると考えるのが自然です。一方、介護の財政状況も厳しいなか、基準に合致する人のみを待機者とするのか? 施設整備など介護保険全体にもかかわるため、一度、考えてみる必要がありそうです。

 制作・亀岡秀人

ご注文はこちらから
 

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報