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【生活図鑑】

どうなる?新高齢者医療制度(No.336) 公費負担のあり方など焦点

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 後期高齢者医療制度に代わる新たな医療制度について、保険料や費用負担などの案が示されました。新制度によって何が変わるのでしょうか?

 新制度では、後期高齢者医療制度に加入していた七十五歳以上の人が、国民健康保険と被用者(サラリーマン)保険に移ります。このうち、国保の財政は将来的に都道府県単位で運営します。二〇一三年度から第一段階として、七十五歳以上について調整を行います。

 運営主体は、高齢者医療制度では市町村からなる広域連合でした。厚生労働省は新制度では都道府県が担うことを提案しています。広域連合は、住民にあまり知られていないほか、責任が明確でない問題が指摘されています。都道府県が主体になれば、責任が明確になる上、医療の効率化などが図れるとしています。

 しかし、全国知事会は国の責任を明確化し、広域連合の支援などを主張しており、調整は難航しそうです。

 高齢者が今後、急速に増加し、医療費も増えます。このままでは高齢者の保険料の伸びが現役世代を大きく上回ります。そこで、新たに高齢者増加分の負担を高齢者と現役世代で分かち合う仕組みを設け、高齢者の保険料負担を抑えます。

 現役世代の負担を見ると、現行制度と比べ、保険者の負担、一人あたりの保険料は国保、協会けんぽが減少、健康保険組合、共済が増加します。

●年収に応じて調整

 七十五歳以上の医療財政を現役世代が支援する仕組みは、基本的に変わりません。

 ただし、被用者間については、全面総報酬制での調整を厚労省が打ち出しました。従来、調整は加入者数に基づいて行っていました。一〇年度から一二年度までは、このうち三分の一については総報酬での調整を行っています。

 新制度では、すべて総報酬に基づく調整を提案。これにより、支援金は年収の高い健康保険組合、共済で負担が増加。中小企業の加入者が多い協会けんぽの負担が減少します。健保組合間でも、年収の高い組合の負担が上昇します。

 協会けんぽの支援金は公費と保険料で賄われており、公費分が不要になるとしています。

●70〜74歳は2割負担に

 七十歳から七十四歳の窓口(患者)負担は、一般の人は法で二割と定められています。しかし、負担が重いとして一割負担に凍結されています。この負担について厚労省は、新たに七十歳になる人から順次二割負担にしていく方針です。

 二割負担については、負担の増加で受診抑制につながるのでは、との懸念も示されています。

●協会けんぽの支援金減

 現在、現役並み所得者(約百二十万人)に対しては、現役世代からの支援金で賄い、公費の負担はありません。この結果、公費負担割合は実質47%です。

 これを現役並み所得者へも公費を投入(約三千五百億円)し、五割に引き上げる考えです。

 しかし、新制度では協会けんぽの支援金のうち、公費負担二千百億円が減るなど、全体から見れば公費の負担だけが抑えられる仕組みとの批判も出ています。

 このため、少なくとも協会けんぽの支援金の見直しに伴う公費負担の減少分は「協会けんぽの現役世代の保険料の大幅引き上げを防ぐためにも、協会けんぽや健保組合の支援に回す必要がある」と、被用者保険側は指摘しています。

 制作・亀岡秀人

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