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【生活図鑑】

60歳代前半の在職老齢年金(No.345) 届け出時期で減額幅、保険料に差

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 定年後、年金を受給しながら働き続ける会社員が増えています。これらの人が負担する保険料や受け取る年金額は、会社が年金の手続きをどう行うかに影響されます。収入との関係で年金が減額される60歳代前半の「在職老齢年金」のしくみとともに見てみましょう。

 厚生年金が適用される会社には、さまざまな届け出を行う義務があります。厚生年金では給与額を標準報酬月額といい、保険料や年金額を計算するもととしています。

 では定年後、引き続き再雇用などで働く人の保険料や年金額はどうなるのでしょうか?

 一般的に定年後、再雇用された場合、給与額は下がります。また、年金支給開始年齢に達した人で会社勤めをしている人は、厚生年金保険料を負担しながら、給与に応じて、老齢厚生年金を受け取る在職老齢年金制度の適用を受けます。

 定年・再雇用の場合、事業主は給与が下がったことを届け出なければなりません。ただし、届け出時期によって、保険料や年金額の計算が違ってきます。

 会社は通常、給与が下がった月以降、三カ月間の支払額を日本年金機構の年金事務所へ届け出ます。厚生年金のしくみでは、三カ月間の平均給与額をもとに、「四カ月目から給与が下がった(三カ月間は高い給与のまま)」という扱いになります。

 これでは、再雇用から三カ月間は定年前の高い給与をもとにした保険料を負担しなければなりません。また、この間の年金額は在職老齢年金制度によって、通常、減額幅が大きくなり、受取額も減ります。このため実態に合っていないとの批判も多くありました。

 そこで、定年後、すぐに厚生年金の加入者(被保険者)の資格喪失と資格取得を同時に届け出る方法も認められています。これにより、従来の高い給与ではなく、継続雇用後の下がった給与で保険料や年金額の減額計算を行います。

●減額されるしくみ

 在職老齢年金として受け取る年金額は、大まかには(1)総報酬月額相当額(2)基本月額−の二つをもとに計算されます。

 (1)の総報酬月額相当額は年収の一カ月分に当たるもので、その月の給与と、直近一年間に受けた賞与の十二分の一の合計額です。

 (2)の基本月額は年金の一カ月分にあたり、六十歳代前半に支給される老齢厚生年金の十二分の一です。

 なお、六十五歳になるまでに支給される年金には報酬比例部分などと呼ばれる年金と、報酬比例部分+定額部分として受け取れる特別支給の老齢厚生年金があり、いずれも減額対象です。

 (1)と(2)の合計が二十八万円以下なら年金は減額なく受け取れ、二十八万円を超える場合は超過額が多くなるほど減額されます。

●対象外となる人も

 在職老齢年金による減額は、老齢厚生年金のみが対象です。アルバイト、自営業者、障害厚生年金や遺族厚生年金受給者などは減額されません。

 制作・生活図鑑担当 編集・亀岡秀人

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